乗船者インタビュー

船はみんなが主役になれる素晴らしい場所です。

青木清さん・青木典子さん(群馬県 / 72歳・68歳)

海外暮らしを味わってみたくて

清さん:10年前に一度乗船し、今回が二度目の乗船です。/典子さん:当時は脳梗塞で闘病していた父を見送ったあとで、少しゆっくりしたいなという気持ちで乗船しました。主人の兄弟たちはみんな海外に住むようなグローバルな人たちなんですが、主人は「お父さんと一緒に山や畑を守るよ」とずっと地元にいる人で。私の方が海外暮らしを味わってみたくて船旅に誘ったんです。/清さん:最初は「地球一周?」と驚きましたが、何とかなるかなと思いました。/典子さん:一度目がとてもいい旅だったので、「次は金婚式のときくらいに乗りたいね」と話していて、今回の乗船に至りました。

楽しみだった食事の時間

清さん:10年ぶりの乗船で、特に食事がおいしくなったと感じています。おかげさまで最初に一気に体重が5キロ増えてしまい減量したんですが、なかなか戻せない。ずっとおいしいごはんが出ますから(笑)。/典子さん:私たちは二人とも社交ダンスをしているんですが、ダンスをしていればそんなに太らないだろうという考えが浅はかでした(笑)。ごはんのおいしさの方が勝ちましたね。夜は絶対にフルコースの洋食ディナーを食べに行きますし、デザートも出るし、ごはんがおいしすぎて全然痩せられない。/清さん:朝だけはなるべく少なめにしようと、和食のレストランに行っています(笑)。

太陽ってこんなに早く昇るの?!

清さん:朝起きてコーヒー飲んで、海を眺めるのは最高に気持ちがいいですね。私たちは群馬県の山奥から参加しています。群馬県の違う市でも太陽が出るのが早いなと思ったものですが、洋上は目覚めるとすぐ太陽が昇るのでびっくりしています。太陽ってこんなに早く昇ってくるの?!って。/典子さん:周りが山に囲まれてるので、昇ってもまた山に隠れてしまうんですよね。空は明るいけれど、直接太陽を見られる時間が限られているんです。/清さん:船の上では、水平線から水平線まで見えますからね。

いろんな自主企画を主催

典子さん:普段はフリースペースの板敷きのところで、社交ダンスを踊っています。毎日行くので、誰かしら来ると一緒に踊ります。あとは椅子とテーブルがあるスペースで、手芸をしたり折り紙をしています。船内新聞をリサイクルしてエコバッグを作ったりしていると、通りがかる人に教えてと言われて教えることもありますね。/清さん:社交ダンスも手芸も、自主企画としてやっているんですよ。農家をしているので乗船の前日まで畑仕事をしていて、船に乗ってゆっくりするはずが、船でも仕事しているみたいな気持ちです(笑)。

洋上でも快適に過ごせる

典子さん:私としては朝昼晩の食事作りがない、食べたあとで洗う作業もない、本当にラクさせてもらってます。これは旅の醍醐味でもありますよね。料理もコースで出てくるし、カトラリーがずらっと並んでセッティングされている、それを見るだけで食事が楽しみになりますよね。/清さん:船はとても大きく揺れが少ないので、ウォーキングもできるんですよ。朝はデッキを4周くらい歩くと30分のウォーキングになります。そのあとラジオ体操に参加するのが僕の流れです。

終わっても続く「旅友」との交流

典子さん:一番の思い出はやっぱり食事。それと、いろんな方と出会えて名刺交換ができたことですね。100枚くらい渡して、同じくらいもらっていると思います。/清さん:いつか会いに行きたいなと思いますし、さっそく4月にうちに来てくれる方もいるんです。/典子さん:ダンス仲間なのですが、山菜が取れるので食べに行きたいと言ってくれて。私たちも「仲間たちに会いに長崎や仙台に行きたいね、お互いに行き来しようね」と言っています。そんな約束ができる「旅友」ができました。/清さん:毎日顔合わせると仲間になっちゃいますよね。

またみなさんと再会したい

典子さん:旅の終盤に自主企画の発表会があり、二人でワルツを踊りました。知らない方からも「よかったよ」と声をかけてもらって、とてもうれしかったですね。/清さん:みんなが主役になれる時間がある。年齢や性別を超えてそういうチャンスがあるというのは素晴らしい場だなと思います。/典子さん:だから、興味のあることにチャレンジすることをお勧めします。そこからまたいろんな出会いが生まれますから。/清さん:僕もまだ社交ダンスを続けますし、どこかでまた再会できたときは、「おー!久しぶり!」と言い合える関係になれれば幸せだなと思いますね。

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