無理をせず、自分流の楽しみ方がいいんですね。
ずっと夢だったピースボートへの乗船
以前は養護学校で教員をしていました。40代で起業し、知的なハンディキャップがある教え子たちが暮らせるような、大規模施設を作り、10年ほど施設長を務めました。でも自分の母親の介護もあったのでそれも辞めて、しばらくはハンディキャップをもつ人やお年寄りが集う劇団を立ち上げて活動をしていました。海外旅行は若いときから好きで時々行ってたけれど、ピースボートを知ってからは「これは乗らなきゃ!」と思ってね。とにかく、ピースボートに乗ることはずっと夢でした。そして気づけば今回で4回目の乗船です。船ではみなさんに「くまさん」と呼んでもらっています。
不思議とまた乗りたくなる
パシフィック・ワールド号になってからは初めての乗船です。なんだか豪華で天国みたいなので、それをどうやって満喫しようかな、と。とにかく食事がおいしいし、いろんな種類があるのもうれしいです。それに、寝てたら寄港地に着くし、港では船が待っててくれて、さっと乗れるのも最高だなぁと。ピースボートの船内では、私たち乗客も働いているクルーも、なんとなく小さな家族みたいですよね。一度乗ったあと、1年くらい経つと「あれよかったなぁ」と、不思議とまた乗りたくなるんですよね。周囲も「くまさんまた乗ったのかよ、俺も乗っちゃったぜ」なんて人が多くて。
自分に合ったものだけを選んで
初乗船のときは、飛び歩いていろんな企画に顔を出していましたが、今は自分に合ったものだけを選んで参加してます。企画はたくさんありますからね、全部出るのは不可能ですもん。でもいろんなものにちょっとずつ顔を出して、「これは合わないからやめよう」とできるのもいいんですよね。今は「エッセイを書こう」という企画に、欠かさず参加しています。そのときどきのテーマで書いて、発表するんです。あと、社交ダンスはあるけれどディスコの企画がないなと思って、自分で自主企画をやりました。おばあちゃんたちも踊っていてね。結構な人が集まりましたね。
どこへ行っても仲良くなれる
寄港地では、仲間たちとぶらぶら街をめぐることが多いです。あとは毎クルーズ現地の床屋に行くようにしていて、今回はフランスで切ってもらいましたよ。タクシーの運転手さんと仲良くなることも多く、この間出会った運転手さんとは、彼の家で一緒にコーヒー飲んで帰ってきました。仲良くなったら一緒に食卓を囲むのが、私のやり方なんですよ(笑)。その時は、日本から持ってきた扇子に僕が絵を描いて、その国の言葉や日本語で子どもの名前なんかを書いてプレゼントすると、すごく喜ばれました。これから乗られる方にも、何か現地でプレゼントできるような、簡単なものを用意することをお勧めしますね。
相部屋でも心地よい関係性を築く
乗船するときは毎回相部屋を選んでいますが、トラブルがないんです。そのコツは、ある程度のラインを引いて、お互いの自由な行動を尊重しながら段々と仲良くなるようにすること。「個人で参加していて部屋が一緒なだけ」、そういう感覚でいることが心地よく過ごす秘訣かもしれませんね。逆に、ルームメイトに助けられることもしょっちゅうありますよ。僕はよくルームキーを忘れてしまうんですが、ルームメイトに頼んで、鍵を開けてもらったりね。時差調整のときも、寝る前に「今夜は1時間戻した方がいいですよ」と教えてくれたり。やっぱり、ちょっとしたことを相談し合えるのは安心しますね。
旅で気づいた、愛犬への想い
不思議なことに、旅をしてると感情が蘇るようなことがあるんです。実は昨年、飼っていた愛犬が17歳で亡くなってしまったんですが、これまでは亡くなったことを思い出しても割と平気だったんです。ところがあるときに船内で、エッセイを書く企画に参加して、彼のことを思い出していたら、急にドーンと泣けて。親が亡くなったときでもこんなに泣かなかったというくらい、こみ上げてくるものがあってね。「僕は本当におまえのこと大好きだったんだよ」という感情が、うわっときた。だから不思議な感情でしたけど、その感情に気付けたことがこの旅での一番の収穫でしたね。
初めて伝えた「次は一緒に乗ろう」
こんな気持ちは初めてだけど、この間妻に連絡したときに「次は一緒に乗ろう」と言ったんですよ。直後に「俺のバカ~」なんて思っちゃったけど(笑)。今まで妻と乗ろうなんて気持ちはさらさらなかったけれど、つい本音が出ちゃったのかなぁ。恥ずかしかったけれど、女房は今頃ニヤッとしてるかもしれないですね。これまでも留守の間にはいろんなことがあったから、連絡するときには「ごめんね、せめて何か買ってくね」と伝えていたけれど。こんなふうに一緒に乗りたいと思ったのは初めて。いやあ、不思議な旅ですね。やっぱり船の旅って、なんかちょっと普段とはちがう気持ちになれるんですかね。
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