シトカ
アラスカ州南東部の港町シトカ。その名前は先住民族トリンギット族の「海のほとり」を意味する言葉に由来し、美しい自然景観と豊かな先住民族文化が魅力です。
東南アラスカの景勝地
シトカは、インサイド・パッセージ(内海航路)と呼ばれるエリアに位置するのどかな港町。東南アラスカでも指折りの景勝地と言われ、19世紀初頭にロシア人によって造られた歴史をもちます。帝政ロシアの統治下では首都となり、今でも町にはその時代の建物が数多く残ります。アラスカの中では比較的温暖な気候で知られ、静かな海と氷河、深い緑の原生林が生み出す圧倒的な光景も大きな見どころ。先住民族のトリンギット族、ロシア人、アメリカ人と、入植者のすべてが足跡を刻んだ町には、彼らを惹きつけたであろう豊かな自然と多様な文化が今も根付きます。
歴史を物語る建物の数々
町を貫くリンカーン・ストリートの周辺には、歴史を感じるスポットが多数点在しています。ロシア正教独特のタマネギ形の尖塔(時計塔)が目を引く、聖ミカエル教会。美しい外観もさることながら、内部に飾られた絵画や調度品も見事です。この教会を建てたインノケンティ主教の家も「ロシア僧正の家」という名で保存されており、ロシア領時代を物語るスポットの一つです。また、シトカ歴史博物館を訪れれば、アラスカがアメリカ領となって以降のさまざまな遺物が展示されており、この町の歴史がそのままアラスカの開拓史と重なるさまが見て取れます。
自然と文化を丸ごと体験
アラスカの中でも特筆すべき豊かな自然、そして奥深い先住民文化を誇るこの地では、さまざまな面から観光を楽しめます。本船で美しい海へと繰り出せば、豊富なエサを求めてアザラシやラッコ、クジラなどの海洋生物たちが姿を現します。シトカ国立歴史公園には18本のトーテムポールが置かれたトレイル・コースもあり、散策にもおすすめです。1本1本表情が異なるユニークなポールは、この地に暮らしたトリンギット族が残した貴重な遺産。高い生活水準と豊かな文化をもっていた彼らのアートにふれながら、シトカの町が歩んだ道のりに思いを馳せます。