04.12
スエズ運河クルーズの楽しみ方!魅力や寄港地情報を解説
エジプトに位置するスエズ運河は、世界三大運河のひとつに数えられる人工運河です。地中海と紅海を結び、古くから交通や貿易の要衝として多くの船が行き交ってきました。今ではクルーズ船も航行する人気の観光スポットです。
この記事では、スエズ運河の特徴や歴史、魅力を紹介します。また、2026年にスエズ運河を経由するおすすめのクルーズも掲載しているので、ぜひ最後までお読みいただき、スエズ運河クルーズの計画を立ててみてください。
目次
スエズ運河とは
スエズ運河はエジプトのスエズ地峡にあり、地中海と紅海を南北に結ぶ全長193kmの人工運河です。アジアとヨーロッパをつなぐ重要な運河として、年間約1万8900隻もの船が航行しています。スエズ運河を航行する最大のメリットは、インド洋・太平洋地域の海上輸送の大幅な距離短縮です。
スエズ運河の開通以前は、アジアからヨーロッパに行く場合、アフリカ大陸をぐるりと迂回する必要がありました。しかし、スエズ運河を航行することで航行距離が6,000km以上も短縮され、時間や費用などの輸送コストが抑えられるように。今では、世界の貨物の約15%がスエズ運河を航行しているといわれています。
スエズ運河の基本情報
ここでは、スエズ運河の特徴と歴史について紹介します。実際にどのようにして運河を航行するのか、いつ運河ができたのかなどを知ると、さらにスエズ運河の魅力が見えてくるはずです。
スエズ運河の特徴
紅海と地中海の水位差が最大2.5mしかないため、スエズ運河は水位を調節するのに必要なこう門を持たないのが特徴です。こう門がない分、船舶を停止させることなくスムーズに航行できます。しかし、船舶の波による運河の土手の浸食を防ぐために、低速で航行しなければなりません。
また航行する船舶が「コンボイ」と呼ばれる船団を組み、約113.3kmの複線区間ですれ違うのもスエズ運河の特徴といえます。
スエズ運河の歴史
スエズ運河は、フランス人のレセップス指導のもと1859年に建設が始まり、10年の歳月を経て1869年11月に開通しました。
開通当初からヨーロッパとアジアの海上の要衝として、多くの船舶が行き交うスエズ運河。しかし、1875年にはスエズ運河を運営していた国際スエズ運河会社(フランスとエジプトが株を保有)が経営難に陥り、イギリスに株を譲渡します。以降、イギリスがインドなどのアジア支配にスエズ運河を利用するようになりました。
イギリスはエジプト支配にも乗り出し、1882年のウラービーの反乱への介入によってエジプトを保護国化します。イギリスによるスエズ運河の軍事占領は、1953年に撤退するまでの72年間にも及びます。撤退後も、しばらくはイギリス資本によるスエズ運河会社の運営が続きましたが、1956年ついにエジプトがスエズ運河の国有化を宣言・実現させました。
その後、タンカーなどの大型船舶が航行できるよう、おもに日本の経済援助や技術提供のもと、拡張工事を実施。中東戦争をはさんで約20年にもおよぶ運河の拡張工事は、1980年12月に完遂しました。
2015年には複線化および既存航路の拡幅・増深工事をおこない、全面的ではないものの、長い区間で相互航行が可能となっています。
壮大な景色を満喫!スエズ運河クルーズの見どころ
世界貿易にとって必要不可欠なスエズ運河は、クルーズ船でも航行可能です。スエズ運河の見どころといえば、なんといっても運河の両側に広がる広大な砂漠です。周囲に高い山や建物がないため、天気が良ければ、果てしなく続く地平線を眺めることができます。
また、複数の船舶が船団を組みながら航行するコンボイの様子や、日本政府の支援によって架けられたムバーラク平和橋など、スエズ運河ならではの壮大な景色を楽しめるのがスエズ運河クルーズの魅力です。
スエズ運河周辺の主な寄港地
次に、スエズ運河周辺の主な寄港地を2つ紹介します。
ポートサイド
ポートサイドは、エジプトの北東部に位置する港町です。1860年にスエズ運河の地中海側の出入口港として新たにつくられました。ちなみにポートサイドとは、運河建設を支援したエジプト副王サイードに由来します。
また、ポートサイドからバスを利用して首都のカイロまで移動すると、ピラミッドやスフィンクスといったエジプトを代表する観光スポットが楽しめます。他にも、多くの人でにぎわうバザールやアフリカ大陸最長のナイル川、イスラム文化に触れられるモスクやミナレットなど、異国情緒あふれる景色に目を奪われることでしょう。
サファガ
サファガは紅海に面する港町で、マリンアクティビティが楽しめるリゾート感あふれる人気の観光都市です。また、古代エジプトの都があったルクソールへの玄関口としても知られています。
ナイル川を挟んで東岸と西岸に分かれて、「古代都市テーベとその墓地遺跡」の名で世界遺産に登録されているルクソール。太陽の昇る東岸には「カルナック神殿」や「ルクソール神殿」などの神殿が、太陽の沈む西岸には「王家の谷」や「メムノンの巨像」などの墳墓や石像が残り、それぞれの地域はエジプト文明の生と死を表しています。
【2026年】スエズ運河を経由するおすすめクルーズプラン
最後に、スエズ運河を経由するおすすめのクルーズプランを紹介します。それは、2026年に世界一周の運航を予定している『パシフィック・ワールド号』で行くクルーズプランです。
地球一周の船旅 2026年4月 Voyage123(北極航路 ヨーロッパ&中米コース)
コロンボ(スリランカ)からクシャダス(トルコ)へ航行する際にスエズ運河を経由する世界一周クルーズです。スエズ運河航行の終盤にはポートサイドにも寄港するため、エジプトの街並みが楽しめます。
コースの最大の特徴は、一日中太陽が沈まない白夜を迎える6月に北極を航行することです。これまでに多くの冒険家や探検家が通ったであろうロマンあふれる氷の海を眺めながら、北極点到達をめざします。
フィヨルド遊覧を含めて、北極圏最大の街トロムソ(ノルウェー)やフィヨルド観光の玄関口ホニングスヴォーグ(ノルウェー)、豊かな自然が体感できるレイキャビク(アイスランド)など、北極圏のさまざまな都市にも寄港。北極の魅力を余すことなく満喫できるのがこのコースの魅力のひとつです。
北極圏以外にも、都会の景色が楽しめる香港やシンガポールといったアジア、世界遺産観光が楽しめるル・アーブル(フランス)やアムステルダム(オランダ)などの都市に寄港するヨーロッパ、リゾート気分が味わえるカルタヘナ(コロンビア)やクリストバル(パナマ)を訪れる中南米など、世界一周ならではの充実した観光内容です。スエズ運河に加えて、世界の絶景を楽しめるおすすめのコースです。
地球一周の船旅 2026年8月 Voyage124(地中海・中南米・南太平洋コース)
コーチン(インド)からサントリーニ島(ギリシャ)へ航行する際にスエズ運河を経由する世界一周クルーズです。スエズ運河航行中は、サファガとポートサイドの両方に寄港するため、エジプトの歴史や文化などが満喫できます。
コースの最大の特徴は、アイスランド周辺を航行中に5夜連続でオーロラ鑑賞のチャンスがあることです。暗闇に突如現れる光のカーテンはまさに神秘的で、きっと一生忘れられない素敵な思い出になるでしょう。
他にも、スエズ運河とともに世界三大運河に数えられるパナマ運河も航行。近代的なビルが立ち並ぶ深圳(中国)をはじめ、「アドリア海の真珠」と称される観光都市ドブロブニク(クロアチア)や、多くの世界遺産を有する都市バルセロナ(スペイン)、世界経済の中心地で世界最高峰のエンターテインメントが楽しめるニューヨーク(アメリカ)、巨石モアイ像に守られた島イースター島(チリ)などにも寄港し、世界の観光名所を一度に堪能できるコースです。