2024
05.27

北極と南極の違いってなに?動植物や気温、歴史を比較

クルーズガイド


地球の北と南の極地に位置する北極と南極。どちらも雪で覆われた寒いイメージがありますが、実際はさまざまな違いがあります。

この記事では、北極と南極それぞれの気温や環境、生息する動植物、歴史などを比較して、違いを紹介します。また、北極と南極のおすすめ観光プランも記載しています。それぞれの特徴を知りたい方はもちろん、北極・南極に行ってみたい方はぜひ最後までお読みいただき、旅行の参考にしてみてください。

北極・南極とは、地球が自転する軸「地軸」が地表面を通る場所(極地)を指します。地球の北側の極地が北極、南側の極地が南極です。それぞれの場所がイメージできたところで、北極と南極の違いを5つ紹介します。

海上に氷が漂っているのが北極、大陸になっているのが南極

北極と南極の大きな違いは、陸地であるかどうかです。地図上では、それぞれ北極「域」、南極「大陸」と記載されています。つまり、北極は海上に氷が広がっている地域であり、南極は大陸として陸地が広がっている場所になるため、「海上に氷が漂っているのが北極、大陸になっているのが南極」と覚えておくといいでしょう。

寒いのが北極、もっと寒いのが南極

北極と南極では、気温にも差があります。観測する場所によって気温は異なるものの、それぞれの平均気温は北極が-18℃、南極が-50℃です。また、地球上で最も低い気温を記録した場所が南極のボストーク基地で、1983年に-89.2℃を記録しています。

どちらも寒さが厳しい地域ですが、北極と南極を比べると、南極の方が寒い地域といえます。

標高がゼロなのが北極、標高が高いのが南極

北極は、大陸ではなく海上に氷が浮かんでいる地域を指すため、標高はありません。対して南極は、大陸です。南極大陸の上を雪や氷が覆っているため、平均標高は2,200mもあるといわれ、地球上で一番平均標高が高い大陸です。標高の違いは、「標高がゼロなのが北極、標高が高いのが南極」と覚えておきましょう。

海水が凍ったのが北極、雪が降り積もったのが南極

北極と南極では、氷のでき方も異なります。北極の主な氷は海水が凍ってできる「海氷」で、氷の厚みは数メートルほどです。南極にも海氷はありますが、大陸上に雪が降り積もってできる「氷床」が中心です。氷床の厚みは、2~3千メートルにも及ぶといわれています。

6月ごろに白夜があるのが北極、12月ごろに白夜があるのが南極

北極と南極では、白夜と呼ばれる地球の極地域特有の現象が起こります。白夜とは、夏至の時期に太陽が地平線上にとどまり、地域によっては一日中太陽が沈まない状態のことです。そのため、北極では夏至を迎える6月ごろ、南極では12月ごろに白夜になります。

ちなみに冬至の時期は、太陽が地平線以下にとどまり、地域によっては一日中太陽が昇らない極夜と呼ばれる現象が起こります。極夜も北極と南極の両方で見られますが、北極の方が長期間続く現象です。

北極と南極はほぼ同じ大きさ

さまざまな違いがある北極と南極ですが、面積はほぼ同じ大きさです。どちらも約1,400万㎢といわれ、日本と比べると約37倍にもなります。北極と南極は、世界で一番大きな面積を占める国・ロシアの約1,700万㎢に匹敵するほどの面積があります。

北極と南極に生息する動植物の違い

ここでは、北極・南極それぞれに生息する動植物を表にまとめました。表を比較しながら違いを紹介します。

北極南極
アザラシアゴヒゲアザラシ、タテゴトアザラシなどカニクイアザラシ、ヒョウアザラシ、ミナミゾウアザラシなど
クマホッキョクグマ―(生息していません)
ペンギンー(生息していません)コウテイペンギン、キングペンギン、アデリーペンギンなど
クジラ・イルカイッカク、ベルーガ(シロイルカ)などミンククジラ、ザトウクジラなど
鳥類ニシツノメドリ、シロカモメ、ミツユビカモメなどサヤハシチドリ、ナンキョクオオトウゾクカモメ、アホウドリなど
その他の動物セイウチ、ホッキョクギツネ、スピッツベルゲン・トナカイ、ジャコウウシなどナンキョクオットセイなど
植物チョウノスケソウ、ムラサキユキノシタ、チャボクモマグサなどナンキョクコメススキ、ナンキョクミドリナデシコ

北極には、ほ乳類をはじめ、水生無脊椎動物や鳥類、魚などの動物が厳しい条件下で生息しています。他の地域に比べると、生育環境の選択肢が限られていることから北極固有の生物がほとんどで、種の総数は少ないのが特徴です。

植物は、バラ科のチョウノスケソウをはじめ、ロッキー山脈やアルプスにも生息するムラサキユキノシタなど、多種多様な花々を見ることができるでしょう。

南極では、オキアミが食物連鎖の重要な役割を担い、数多くの魚や鳥類、アザラシ、クジラなどが生息しています。なかでも、南極だけで見られる動物の代表がペンギンです。ペンギンは、エサの少なさや天敵の存在が理由で赤道を越えられず、多くは南半球にのみ生息しているため、北極では見られません。

植物は、藻類やコケ類、地衣類が中心です。花を咲かせる植物は、ナンキョクコメススキとナンキョクミドリナデシコの2種類のみ確認されています。北極に比べると気象条件が厳しいため、自生する植物が少ないのが特徴です。

北極と南極の歴史

次に、北極と南極の歴史について、日本に関連した内容を含めて紹介します。

北極の歴史

北極に関する歴史は古く、紀元870年のバイキング時代にすでに北極探検をしていたといわれています。その後、世界中の探検家が北極点到達に挑戦し、1900年以降、複数の人物が北極点に到達したと主張していたそう。それでも、実際に北極点に到達したという確証が取れないまま、公式では認められない状態が続いていました。

そんななか、1969年についにイギリスの探検家のウォーリー・ハーバートが徒歩で北極点に到達したと公式に認められました。1978年4月28日には、日本大学山岳部が日本人で初めて北極点に到達。その翌日に、日本の探検家の植村 直己が世界で初めて、犬ぞりを使った北極点単独到達を果たしました。

南極の歴史

南極の歴史は北極に比べると新しく、日本がまだ江戸時代だった1820年ごろにイギリス人とアメリカ人、ロシア人の3人が南極大陸を発見したといわれています。

その後、1911年12月にノルウェーの極地探検家のアムンゼンが初めて南極点に到達。同じ時期に日本の白瀬 矗(しらせ のぶ)が、日本人として初めて南極探検に挑戦しましたが、アムンゼンが先に南極点に到達したため、白瀬率いる探検隊は南極点到達を断念。そのときに到達した南緯80度5分を「大和雪原(やまとゆきはら)」と名付けています。

ちなみに日本で最初に南極点に到達したのは、1968年に村山 雅美(むらやま まさよし)隊長が率いる第9次越冬隊です。

【2026年】北極・南極クルーズができるプラン紹介

最後に、北極・南極を観光できるおすすめプランを紹介します。それは、2026年に世界一周の運航を予定している『パシフィック・ワールド号』で行くクルーズプランです。

【北極】地球一周の船旅 2026年4月 Voyage123(北極航路 ヨーロッパ&中米コース)

一日中太陽が沈まない白夜を迎える6月に、北極を航行する世界一周クルーズです。航行中は、北極航路開拓と北極点への挑戦のために、数々の冒険家や探検家が通ったであろうロマンあふれる氷の海が望めます。

北極圏最大の街トロムソ(ノルウェー)やフィヨルド観光の玄関口ホニングスヴォーグ(ノルウェー)、アイスランドの歴史・文化とともに豊かな自然が体感できるレイキャビクなど、北極圏の都市にも寄港。フィヨルド遊覧を含めて、北極の魅力をたっぷりと味わうことができます。

また北極域だけではなく、香港やシンガポールといった近代的な街並みが望めるアジア、世界遺産観光が楽しめるバルセロナ(スペイン)やル・アーブル(フランス)などの都市に寄港するヨーロッパ、リゾート気分が味わえるマンサニージョ(メキシコ)やクリストバル(パナマ)を訪れる中南米など、世界一周ならではの充実の内容です。

【南極】地球一周の船旅 2026年12月 Voyage125(南極航路 アフリカ&南米コース)

南極を含め、南半球を中心に航行する世界一周クルーズです。南極遊覧では、眼の前に広がる氷山に圧倒されることでしょう。私たちの想像を超える大自然の絶景が味わえます。

南極遊覧以外にも、他では見られない固有種が生息するマダガスカルや、ビッグ・ファイブと呼ばれるアフリカゾウ、バッファロー、ライオン、サイ、ヒョウの動物たちが生息するポートエリザベス(南アフリカ)など、普段は見られない野生動物たちとの出会いが待っています。

さらに、パペーテ(タヒチ)やポートルイス(モーリシャス)などのリゾート地や、リオデジャネイロ(ブラジル)やイースター島(チリ)などの世界遺産が楽しめる都市に寄港するなど、世界一周クルーズだからこそ一度に多くの国を旅行できるおすすめのコースです。