12.10

世界遺産「ガラパゴス諸島」ってどんな場所?魅力や固有種、基本情報を解説
本記事では、ガラパゴス諸島の概要とその独特で魅力的な生き物を解説。行き方や観光のベストシーズンなどの基本情報も掲載しています。ガラパゴス諸島に訪問が可能なクルーズプランも紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
目次
ガラパゴス諸島とは

GoogleMap: Galápagos Islands
ガラパゴス諸島は東太平洋上の赤道下にあるエクアドル領の島々により成しています。エクアドルの沖合約1,000kmに位置しており、独自の進化をしたユニークな生態系で知られています。ガラケー(ガラパゴス携帯)の「ガラ」はこのガラパゴス諸島(独自の進化をしたため)からきており、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
13の主要な島(面積が10㎢以上)が13、6つの小島、そして岩礁など全部で234個で構成されており、その多くは火山活動によって形成されました。Galápagos(ガラパゴス) は「ゾウガメたちの島々」という意味で、スペイン語でゾウガメを意味する galápago からきています。
実は、正式名称はコロン諸島(スペイン語: Archipiélago de Colón)で、「コロンブスの群島」を意味します。
面積 | 7,995㎢(兵庫県|8,396㎢より少し小さい程) |
人口 | 33,042 人(2020 年推計) |
言語 | スペイン語 |
通貨 | $:USドル |
陸地の総面積は約8,000㎢です。そのうちの96.7%は「ガラパゴス国立公園」に指定されていて特異な生態系を保全するため、観光や島民生活に対して厳しい規制を行っています。
またユネスコの世界遺産に最初に登録された12のうちの1つで、世界自然遺産の第1号(IDも1番)でもあるのです。
次の章から、ガラパゴス諸島の魅力や特徴について、詳しく解説していきます。

ダーウィンが「進化論」を着想した生き物たちの楽園
ガラパゴス諸島は「進化の生きた実験室」と呼ばれています。それはユニークな生態系を持ち、進化の過程を示す貴重な観察できるためです。チャールズ・ダーウィンが1835年に訪問し、そこでの観察を基に進化論を発展させたことに由来します。
海底火山の噴火によって形成された島々であり、大陸と一度も陸続きになったことがありません。そのため、現在この島々に生息する生物は、大陸や海洋から何らかの手段で到達したものに限られます。例えば、風や鳥が運んだ植物の種子、乾燥に強い爬虫類、空を飛べる鳥類などが、大陸から約1,000kmの距離を超えて辿り着くことができた生物たちです。
さらに、ガラパゴス諸島の上空では強い風が吹き、海では大陸から諸島へと流れる海流が存在します。そのため、一度島に到達した生物は大陸へ戻ることが難しく「隔離」された環境です。この隔離状態の中で、生物たちはガラパゴス特有の環境に適応し、独自の進化を遂げていきました。
現在、ガラパゴス諸島で確認されている生物の種は約7,000種。そのうち約2,000種がガラパゴスにしか生息しない固有種とされています。ここではその中の代表的な固有種を紹介します。
ガラパゴスゾウガメ

ガラパゴスゾウガメの特徴はなんといってもその長寿でしょう。野生で100年以上生きる個体もあり、動物界でも最も長寿の種の一つです。体重は最大約250kgにもなり、甲羅の長さは最大約150cm。
主に草や葉、果実などの植物を食べる草食性で、乾季にはサボテンの果実や多肉植物を摂取して水分補給もします。
ガラパゴス諸島の島ごとに異なる亜種が存在し、環境に適応した進化を遂げています。かつて15種類の亜種が確認されていましたが、現在では絶滅している種類もあります。
ガラパゴスリクイグアナ

全長は100〜120cm(尻尾を含む)ほどで、体重は6〜13kgになります。オスはメスよりも大きくて、明るい色合いをしているのが特徴。
サボテンの果実や葉を好んで食べますが、他にも食べられそうなものなら何でも食べます。昆虫・カニ・植物の新芽や花・ウチワサボテンなど。トゲのあるサボテンも難なく食べられる特殊な口を持っています。
メスは特定の繁殖期に交尾し、約20個の卵を巣穴に産みます。卵は2~3か月で孵化しますが、幼体は捕食者の影響を受けやすく、生存率が低いことが課題です。
ガラパゴスアシカ

オスの体長は最大約270cm、体重は最大500kgにもなります。メスはオスより小さく、体長約150cm、体重は50〜75kgほどです。柔らかい茶色や暗灰色の毛皮を持ち、個体によって色が異なります。
魚を主に餌としていますがイカやタコなども食べる肉食性です。水深約35mの深さまで潜り餌を獲ることもあります。一方で、自身がサメに狙われる場合があるので、海岸から遠く離れることはほとんどありません。
上半身の筋肉が発達しており、時速40kmものスピードでで泳ぐことが可能です。また、愛らしい大きな目が常に潤んでいるのは、目が乾かないように水分を出しているからです。
ガラパゴスペンギン

平均的な体長は約49〜53cm、体重は約1.7〜2.6kg。胸部に黒い帯模様を持ち、顔には白い縁取りがあります。
ペンギンと聞くとな寒いところに住んでいるイメージがあると思いますが、ガラパゴスペンギンは熱帯、尚且つ赤道直下の厳しい環境で生活しています。温帯にすむペンギンは何種かいますが熱帯で生活しているペンギンは唯一です。
生き抜いていけるのは、南極から流れてくるフンボルト海流と西から流れ込むクロムウェル深層流という2つの寒たい海流が冷たい海水をもたらし、必要な餌を確保できるためと考えられています。
海面水温が低く餌が豊富なときに繁殖が成功しやすいことも特徴的です。
また、暑さを避けるために岩の割れ目などの日陰に巣を作ります。他にも海で体を冷やしたり、フリッパーを広げて風通しを良くする、開口呼吸で熱を発散したり、など暑さへの適応能力があります。
ダーウィンフィンチ類

ダーウィンフィンチの最大の特徴は、種類に応じてクチバシの形や大きさが異なることです。固い種子を割るための太いクチバシや、昆虫を捕るための細いクチバシなど、餌に適応した形態になっています。
体長は10〜20cmで、日本の鳥ではスズメと同じくらいの大きさです。体重は最も大型のオオガラパゴスフィンチで35g、最も小型のムシクイフィンチで8gほどです。
ダーウィンの名前がついているように少ない世代で形態や行動に変化が生じており、進化の過程を観察できるモデルケースとされています。
ガラパゴス諸島が抱える問題とは?
長い間、隔離状態が続いたガラパゴス諸島だが、近代化とともにその形態が脅かされています。
外来種の動植物が持ち込まれ、生態系を変えるまでになっているのです。例として、ネズミやヤギが固有種の繁殖地や食料を荒らすなどの影響を与えています。さらにガラパゴスゾウガメの卵を外来種が食べてしまう事例などもあり、生息数にも直接影響を及ぼしています。
人口の拡大により、島の環境にも変化が。住民や労働者の増加に伴い、限られた資源(水、エネルギー、食料)に対する需要も急増しています。観光業の賑わいでも自然環境への影響があるでしょう。
他にも、気候変動による海水温の上昇、プラスチックごみの増加による海洋環境の悪化、違法漁業、海洋生物の乱獲などが問題となっています。様々な要因から、ガラパゴスの独自の生態系に大きな影響を与えています。
ガラパゴス諸島の基本情報
世界遺産に最初に登録されたガラパゴス諸島。観光に関しての基本情報を紹介します。
世界遺産登録名 | ガラパゴス諸島 |
国名 | エクアドル |
世界遺産分類 | 世界自然遺産 |
世界遺産登録年 | 1978年 |
飛行時間 | 25時間〜(乗り継ぎ含まず) |
飛行機での行き方 | アメリカ経由(ニューヨーク:JFK、ロサンゼルス:LAXなど)、エクアドル(キト:UIO)へ、そこからバルトラ島(セイモア:GPS) |
観光ベストシーズン | 2~5月(乾季)、6~11月(雨季) |
時差 | UTC-6、JST-15(日本-15時間) |
【2025】ガラパゴス諸島に訪問可能なクルーズプラン紹介
最後に、ガラパゴス諸島に訪問可能なクルーズプランのご紹介です。
地球一周の船旅 2025年8月 Voyage121
このクルーズではニューヨーク(アメリカ)に寄港します。そこからガラパゴス諸島を訪問可能なオプショナルツアーが開催される予定です。
ガラパゴス諸島での滞在は4泊5日。その独特な生態系に触れるには十分な時間でしょう。
またクルーズ中に海上からオーロラを見られるチャンスがあります。オーロラチャンスはリバプール(イギリス)からレイキャビク(アイスランド)へ航行中の5日間。
他にも、田園風景が広がるコーチン(インド)、マルセイユ(フランス)、ナウィリウィリ(アメリカ・ハワイ)、石灰岩で築かれた都市バレッタ(マルタ)、ガウディ建築が多く残る街バルセロナ(スペイン)、巨石モアイ像が見守るイースター島(チリ)など大自然に触れられる都市や世界遺産都市にも寄港します。
ガラパゴス諸島へのツアーやオーロラと共に世界各地の自然や街並みが堪能できる世界一周クルーズプランです。
