2025
03.21
フィヨルドとは?特徴や世界の代表的フィヨルドなを紹介

フィヨルドとは?特徴や世界の代表的フィヨルドなを紹介

寄港地


「フィヨルドとはどんなものだろう」「一度で良いからフィヨルドを見てみたい」そういった考えを持っている人も少なくないはず。

本記事では、フィヨルドの定義やリアス式海岸との違い、そして世界各地の代表的なフィヨルドを紹介します。さらに、フィヨルド観光の楽しみ方やベストシーズンも解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

フィヨルドとは、氷河の浸食作用によって形成された深い湾のことです。ノルウェー語で「入り江」を意味しており、峡湾(きょうわん)、峡江(きょうこう)ともいいます。

氷河が山岳地帯を削り取ることで生まれたU字谷が、海面上昇により海水で満たされ、現在のフィヨルドとなりました。そのため、入口から湾奥まで湾の幅がほとんど変わらず、細長い形状で、急な崖や深い水深を持つことが特徴です。

フィヨルドの主な分布地域は高緯度地域です。とくに有名なのはノルウェーで、数多くの美しいフィヨルドがあります。他にも、ニュージーランドやチリのパタゴニア地方などで見ることができます。

フィヨルドはどのようにつくられた?

フィヨルドは以下の過程で形成されました。

1.氷河の誕生
およそ7万年前の最終氷期から数万年もの長い年月にわたって雪が降り積もります。溶けることなく固まり、氷河が誕生しました。

2.氷河による地形の削り出し
氷河は自身の重みで山の斜面を滑り降りながら、地面の底を深く鋭く削り取っていきました。この移動速度は1年間に数百メートルほどで、深く鋭いU字谷が形成されたのです。

3.氷期の終わりと海面の上昇
約1万5千年前〜約1万2千年前に氷期が終わり、気温の上昇とともに氷河が溶け出しました。この水で海面が上昇し、U字谷の下の部分が海に沈みます。そうして切り立った崖と深い水深を持つフィヨルドが誕生したのです。

フィヨルドの特徴とリアス式海岸の違い

フィヨルドとリアス式海岸は、どちらも入り組んだ海岸線を持つ地形ですが、明確な違いがあります。

フィヨルドは前述した通り、氷河の浸食によって形成されたU字谷が海水で満たされたものです。湾の幅が一定で深く、陸地に深く入り込んでいるのが特徴です。

一方、リアス式海岸は、河川の浸食によって形成されたV字谷が沈降や海面上昇によって海に沈み、複雑な海岸線を持つ地形です。リアス式海岸は湾の幅が不規則で、入り江や半島が連続する特徴があります。

このように、フィヨルドとリアス式海岸は形成の過程や地形的な特徴が異なるのです。

界各地の代表的なフィヨルド

次に世界で代表的なフィヨルドをみていきましょう。以下の4つのフィヨルドを紹介します。

  • ソグネフィヨルド(ノルウェー)
  • ノールフィヨルド(ノルウェー)
  • パタゴニア・フィヨルド(チリ)
  • ミルフォード・サウンド(ニュージーランド)

ソグネフィヨルド(ノルウェー)

ソグネフィヨルドは、ノルウェー西部に位置する世界最大級のフィヨルドで、全長約204km、最大水深は約1,308m。その壮大な景観は「フィヨルドの王様」と称されます。

いくつもの支流があり、そのうちの1つ「ネーロイフィヨルド」は世界遺産に登録されています。

ソグネフィヨルドを詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください

ノルウェーの人気観光地「ソグネフィヨルド」の観光情報・魅力的な風景を紹介

ノールフィヨルド(ノルウェー)

ノルウェー西部に位置するノールフィヨルドは、全長約106kmのフィヨルドです。氷河や山々、湖など多様な自然景観が広がります。とくにブリクスダール氷河へのアクセスが容易なことから、ハイキングや氷河ウォークなどのアクティビティが人気です。

パタゴニア・フィヨルド(チリ)

パタゴニア・フィヨルドはチリ南部に広がる壮大な氷河地形です。周囲には手つかずの原生林が広がり、氷河が崩れ落ちる迫力ある景観を間近で楽しむことができます。

クルーズでの観光が主流で、船上からは「サン・ラファエル氷河」や幅4キロメートル以上、氷河の源流となる山の懐までは数十キロメートルのとてつもなく大きな「ピオ11世氷河」が見られます。

実際のクルーズ体験記は以下の記事をご覧ください

パタゴニアの原風景と出会う | 世界一周旅行ならピースボートクルーズ

ミルフォード・サウンド(ニュージーランド)

ニュージーランド南島のフィヨルドランド国立公園に位置するミルフォード・サウンドは、ユネスコ世界遺産にも登録されているフィヨルドです。

年間を通して降水量が多く、雨上がりには滝が現れ、幻想的な光景が広がります。海から立つ山として、世界最高の1692mを誇るマイターピークもあります。

ほかにもミルフォード・トラックは「世界一美しい散歩道」として知られ、多くのトレッカーに人気です。

フィヨルド観光の楽しみ方

フィヨルド観光では、天候の急変が多いため服装の準備が欠かせません。一日のうちに晴れ、雨、霧など天気が入れ替わることがあります。そのため、防風・防水機能を備えたジャケットや、重ね着できる服装がおすすめです。

また船上から遠くの景色や野生動物を観察する機会も多いでしょう。フィヨルドに生息する野鳥や、時にはアザラシなどの生き物が姿を見せることもあります。双眼鏡などを持っていくと、風景をより楽しめるでしょう。

また、カメラやスマートフォンを使って写真を撮る場合も、望遠レンズがあれば迫力のある写真を撮影しやすくなります。

事前の準備を怠らないことで、フィヨルドの魅力を存分に堪能できるでしょう。

フィヨルド観光のベストシーズンは?

フィヨルド観光の最適なシーズンは、一般的に初夏〜夏の間です。この時期は気温が温暖で、氷河の溶けた水が流れ込むことで滝が美しく見える時期でもあります。

  • ソグネフィヨルド/ノールフィヨルド(ノルウェー):5〜9月頃
  • パタゴニアフィヨルド(チリ):11〜3月頃
  • ミルフォード・サウンド(ニュージーランド):11〜3月頃

ソグネフィヨルドの観光ベストシーズンは5~9月頃ですが、ノルウェー5大フィヨルド*の中で唯一、通年で楽しむことが可能です。冬季でも氷が張ることが少なく、クルーズ船の運航が可能なため、雪景色の中でのフィヨルド観光ができる貴重なスポットです。

*ノルウェー5大フィヨルド:ソグネフィヨルド、ハダンゲルフィヨルド、ガイランゲルフィヨルド、ノールフィヨルド、リーセフィヨルド

【2026〜2027年】フィヨルド遊覧があるクルーズプラン紹介

ピースボートではフィヨルド遊覧を含む世界一周クルーズツアーを催行します。どのクルーズもソグネフィヨルドを航行。ベストシーズンである初夏(5月または6月)に向かいます。クルーズでは、フィヨルド特有の断崖絶壁や滝を間近に見ることができ雄大な自然を満喫できるでしょう。

それでは『パシフィック・ワールド号』で行くおすすめのクルーズプランの紹介です。

地球一周の船旅 2026年4月 Voyage123

ソグネフィヨルド以外にもスヴァールバルフィヨルド(コングスフィヨルド)遊覧を楽しめます。

その他の寄港地には、「世界一美しい」と讃えられた街・カルタヘナ(コロンビア)、運河に囲まれた美しき港湾都市・アムステルダム(オランダ)、美しき港街・ナポリ(イタリア)、雄大な自然に彩られた北極圏の街・トロムソ(ノルウェー)など。北極航路も進みます。ヨーロッパ・中米北極エリアの各地の見どころをめぐる世界一周クルーズプランです。

地球一周の船旅 2027年8月 Voyage126

ソグネフィヨルド以外にアラスカフィヨルド遊覧も含まれています。

その他に、地中海・ヨーロッパ地域だけで13の寄港地を訪れます。最先端の文化が集まる世界有数の大都市・ニューヨーク(アメリカ)、大航海時代を象徴する華やかな街・リスボン(ポルトガル)、やバンクーバー(カナダ)、ロンドン[ティルベリー](イギリス)、ポートサイド(エジプト)など数多くの各地の主要都市にも寄港する、ヨーロッパ・アラスカ・北中米を巡る世界一周クルーズプランです。