第84回地球一周の船旅(全24寄港地、黒海をゆく東回り航路)
クルーズレポート
2014年10月21日 第84回「地球一周の船旅」帰港
早朝、日の出と同じ頃、船の前方にうっすらと見えてきたのは房総半島・鋸山。出港から105日目、オーシャンドリーム号は地球をぐるりと一巡りし、浦賀水道へとさしかかりました。早朝ながら、デッキにはたくさんの参加者が。「最後の入港」を見守ります。出発からここまで描いてきた航跡も、残すところあと僅か。出発した日は、帰って来ることなんて想像もしていなかったのに。なんて長い旅なんだろう…と思っていたのに、今日の日を迎えてみると、様々な思い出が駆けめぐります。午前8時、横浜港大さん橋ふ頭に着岸。第84回ピースボート「地球一周の船旅」が帰港しました。
2014年10月6日 ドキュメンタリーは嘘をつく
ドキュメンタリーとは事実を記録したもの——一般的にはそんな風に捉えられていますが、それに対し「嘘をつく」ときっぱりと言い切るのは、映画監督、作家でもある水先案内人・森達也さん(明治大学特任教授)。オウム真理教に密着・撮影した映画『A』『A2』はじめ、数多くの”ドキュメンタリー”作品を手がけてきました。メディアによる報道、“ドキュメンタリー”の名のもとに伝えられる“真実”、いずれにも森さんは「鵜呑みにすべきではない」と警鐘を鳴らします。「大切なのは、主体的に考えることです」——森さんのこんな言葉が印象的な講座となりました。
2014年10月5日 インドネシアンナイト!
船旅の安心・安全、そして快適な船内生活を守る本船クルー(乗組員)の皆さん。世界約30ヶ国からこの船に集まる中でももっとも多いのがインドネシア出身者。そこで今夜は、インドネシア出身クルーによる「インドネシアンナイト」を開催!艶やかな衣装でインドネシア伝統舞踊を披露するのは、洋上居酒屋「波へい」で笑顔で接客にあたるオコさん。 そして今夜のメインイベントは、インドネシアの舞踊劇「ケチャ(kechak)」です。上半身裸で、伝統模様の腰布をまとった男性クルーがステージに集まります。その数50名超!インドネシアの風を感じる、素晴らしい一夜となりました。
2014年10月4日 コロンボ(スリランカ)寄港
オーシャンドリーム号はスリランカ、コロンボ港に寄港。朝の訪れと共に、浮かび上がるコロンボの街——高層ビルと共にひときわ目をひくのはモスクや寺院、教会といった信仰の拠点となる建物。この国の歴史を垣間見る景色でもあります。こんな風に色鮮やかな多数の彫刻で彩られていることが、ヒンドゥー寺院の特徴。シヴァやガネーシャ、ヴィシュヌといった神様が有名ですが、それぞれに出自や役割が様々で、神様ひとりひとりの特徴を知るだけでもたいへん興味深いもの。夕刻。コロンボの街を赤く染めながら、夕日が沈んでいきます。オレンジ色の空と、浮かび上がるモスクや寺院の美しいこと——。
2014年10月1日 人こそが人を支援できる〜水害とボランティア〜
1995年の阪神淡路大震災以来、国内外の災害支援活動を展開してきたピースボート。2011年の東日本大震災からは、宮城県石巻市に「ピースボートセンターいしのまき」を立ち上げ、地元の人々と共に復興活動を続けています。「ピースボート災害ボランティアセンター(PBV)」スタッフ鈴木省一は、2011年4月から今年1月までピースボートセンターいしのまきで運営スタッフを務めました。「自分が『助ける側』にも『助けられる側』にもなることは当然で、そして大切なこと」と言います。「人を助け、支えることが出来るのは、『人』です」——そんな鈴木の言葉が印象的な講座となりました。
2014年9月30日 84smiles-モザイクアートプロジェクト-フリースペース
「ピースボートの第84回クルーズ出航から『84日目』に記念企画をやろう!」という呼びかけで始まった「84smiles」プロジェクト。この間、4人の中心メンバーが、船内各所で協力を呼びかける姿が見られましたが、いったい何を作っていたのかと言うと、モザイクアート!写真を組み合わせ、本船オーシャンドリーム号が描かれています。1枚1枚の写真は、この船に乗り合わせた人たちの笑顔。総数なんと714枚!これらの写真、色を加工したわけではなく、背景や撮影場所を工夫してその色を作り出しているんです。旅もあと21日。この作品のように、笑顔いっぱいで盛り上げていきましょう。
2014年9月29日 サラーラ(オマーン)寄港
オーシャンドリーム号は、アラビア半島南東部の国・サラーラのオマーン港に入港しました。かつて乳香貿易で賑わっていたサラーラ。その歴史をたどる乳香博物館へ。「乳香」とは、乳香の木から取れる樹脂のこと。これをお香のように焚き、その香りを楽しみます。宗教儀式や病気の治療などにも用いられてきたとか。紀元前1300年〜紀元前300年頃に乳香貿易で栄えた港湾都市「アルバリード遺跡」は、ネスコ世界遺産にも登録されています。港の近くには美しいビーチも。砂漠の大地と青い海とのコントラストが眩しいです。続く港はスリランカのコロンボ港。船はいよいよアジアへと進みます。
2014年9月28日 Earth Day
地球の未来について考えてみよう!と始まった洋上アースデイ。この旅の出会いや学びを、帰国後の日々にどう活かすのか、そのきっかけを探ります。フリースペースで開かれたフリーマーケットでは、参加者の皆さんから募った「商品」に値付けは購入者自身で行うというユニークなスタイル。売上げは全額、カンボジアの地雷除去支援に充てられます。オーガニック&フェアトレードのコーヒーや紅茶も大人気!会場にに作られたのは「行動の木」。アースデイを通じて学んだこと、考えたことを木の葉にし、生い茂らせていきます。地球一周を終えた後の「これから」を考える、大切な1日となりました。
2014年9月25日 スリランカの光と陰-スリランカ内戦とは-
コロンボで、人権問題や平和構築に取り組む弁護士のニアン・アンカテルさん。現地シンハラ語で「光り輝く島」の意を持つスリランカ。その名の通り、豊かな自然、艶やかな文化、豊富な天然資源にも恵まれ、世界遺産にも登録された歴史ある史跡や自然保護区もあります。一方、26年にも及ぶスリランカ内戦が「終結」したのは2009年、わずか5年前。タミル人とシンハラ人による争いは、7万人の犠牲者と160万人もの難民を生みました。ニランさんは真相解明を求めるいっぽうで「大切なのは民族の和解だ」と訴えます。美しく平和なスリランカを創りたい——そんな思いを強く感じる講座となりました。
2014年9月23日 のんびりデー
紅海を進み、オマーンへと向かうオーシャンドリーム号。ここまでたくさんの船内企画に、多彩な寄港地にとフル回転の船内でしたが、今日は船内企画もイベントも全部お休み。このへんで、ちょっと一息入れましょう。企画もイベントもぜんぶ自由参加なんですけどね(笑)。船内の人気スポット、ジャグジーを独り占めなんて、ラッキーですね。船尾に伸びる航跡は、どれだけ見ていても見飽きることがありません。スポーツデッキではフットサルが始まりました。子どもたちはキッズプールで大はしゃぎ。大海原のド真ん中で水遊びしたこと、覚えていてくれるといいなぁ。
2014年9月21日 アカバ(ヨルダン)寄港
ヨルダンで必ず訪れたい場所と言えば、世界遺産・ペトラ遺跡。遺跡を擁する街ワディ・ムーサからいよいよ遺跡へ。「スーク」と呼ばれる断崖絶壁の狭間を抜けると、突如として目の前に巨大神殿宝物殿「エル・ハズネ」!!その迫力、この美しさ、壮麗さ……どう表現すればいいのでしょう。その美しさと、不思議な造詣に目を奪われます。エル・ハズネの姿があまりに有名ですが、ここはまだペトラ遺跡のほんの入り口。この奥に、まだまだ遺跡が続き、さらに、未だ未発掘の場所も多くあるとか。「絶対、また来よう」この旅で何度こう思ったか——。ここでもまた再訪を誓って、ペトラ遺跡を後にします。
2014年9月19日 スエズ運河通行
オーシャンドリーム号は、地球一周の船旅のハイライトの1つ、スエズ運河通航の日を迎えます。夜明け前、空がうっすらと白くなり始めた午前4時、船は運河の入り口にさしかかりました。昇る朝日に美しいシルエットを描くのは、スエズ運河橋。スエズ運河を横断し、アフリカ大陸とシナイ半島を繋ぐ唯一の橋です。日本のODAで建設されたことから「エジプト-日本・友好の橋」と呼ばれることも。右にアフリカ大陸、東にシナイ半島をのぞむスエズ運河。中米のパナマ運河と並ぶ「世界二大運河」に数えられ、パナマ運河同様「人類史上最大の建築物」と称されます。夕刻、船はスエズ運河を抜け、紅海へ。
2014年9月18日 芸術パラダイス・文学入門-文学は人類の宝-
「芸術は難しくない」をモットーに、映画・歌舞伎・アニメ・仏像・ロック・クラシック…などあらゆる「芸術」を研究、没頭する文芸研究家、カジポン・マルコ・残月さん。本日のテーマは「文学」。文芸研究家が語る文学?、とたくさんの参加者が集まりました。「もう人生の選択肢がなくなった。行き詰まって打つ手がない。そういうとき、文学はこれまでと違う価値観や別の生き方の心材を与えてくれる」世界に名だたる高名な作家——しかし実はちゃんと読んだことがない、という人も少なくない作家——の名前を次々に挙げ、これでもか!! と言わんばかりの怒濤のトークに、会場は大盛り上がり!
2014年9月17日 ミコノス島(ギリシャ)寄港
真っ青なエーゲ海の沖合に、美しい姿が映えます。寄港地でこんな風に、我が家・オーシャンドリーム号を見つめることができるのも船旅ならでは。オシャレな建物の続くミコノス島。街中のあちこちに教会。教会が人々の生活に根付いていることが伺えます。決して派手ではないけれど、とても大切にされている場所であることが感じられます。お待ちかねのランチタイム。まずはサラダ。ここはギリシャですから、やはりギリシャ風サラダです。大きなチーズが嬉しい!!メインはやっぱりシーフードを。塩焼きしたお魚に温野菜とオリーブオイルを添えて。素晴らしい景色に見送られ、船は次の港をめざします。
2014年9月14日 ソチ(ロシア)寄港
地球一周の船旅は、ロシア南部の港町ソチに入港。今日もいいお天気になりそう!黒海沿岸の、地図上ではごく近い場所を航海しているとはいえ、その歴史文化は少しずつ変化します。出会う建物も、ロシアを感じさせるものに。今日は、「ロシアンティー体験」へ向かいます。暖かいお茶を楽しむために、サモワールに入れた熱湯とポットのお茶を混ぜるのがロシア流なんだそう。寒いロシアでは、この方が熱々のお茶を楽しめますよね。ロシアンティーとは、紅茶と、ジャムを塗ったパンなどを一緒に楽しむこと。今回はケシの実入りのパンにジャムを塗っていただきます。「美味しい!!」と皆さん笑顔。
2014年9月13日 今の自分で突き進む-「ノマド」という働き方-
スプリー代表で、多摩大学専任講師でもある水先案内人・安藤美冬さんは、近年注目を集める「ノマド」という新しい働き方やライフスタイルの先駆者とも言える方。執筆、企業アドバイザー、大学講師など様々な仕事を手がけていますが、どんな仕事に携わっていても、共通するのはその“肩書き”にこだわらない姿勢。「常に挑戦者でありたい」と語る安藤さん。「人生には限りがある」たどり着いたのが、働く場所や肩書きに捉われず、時代の変化に合わせて仕事をする「ノマド」という働き方だと言います。30代から現在のような働き方を選択し、自身で道を切り開いてきた安藤さん。今後の講座も注目です。
2014年9月12日 オデッサ(ウクライナ)寄港
黒海をゆく本船は、時に「黒海の真珠」とも呼ばれるウクライナ有数の港町オデッサに寄港。港を出た先に現れるのが1837年から4年がかりで作られた巨大な階段。映画『船艦ポチョムキン』で、「映画史上最も有名な6分間」と称される名シーンが撮影されたことで知られる、通称「ポチョムキン階段」。頂上に行くほど階段の幅を細くすることで、実物以上の遠近感を演出。 ここはかつてはロシア帝国の一部。18世紀にエカテリーナ2世が、ロシアと地中海・ヨーロッパを繋ぐ「南方への窓」として港を築いたことが始まりだと言われています。街中には、当時の面影を残す建物が随所に見られます。
2014年9月11日 コンスタンツァ(ルーマニア)寄港
地球一周の船旅は黒海沿岸、コンスタンツァ港に寄港。ここは、ルーマニア輸出入の約半分を担う黒海有数の港湾都市。船を降り訪れたのは海沿いの遊歩道に面したカジノ(現在はカジノとしての営業は行っていません)。1910年に建設された壮麗な建物で、この街のシンボル的存在だとか。確かに、大きくて美しくて、印象的な建物です。夕方、本船では、コンスタンツァで活躍する舞踊チーム『ドブロージャ地方の花』の皆さんによるルーマニア伝統舞踊が披露されました。美しい伝統衣装と、軽やかなステップ——ルーマニアのダンスって楽しい!コンスタンツァの歴史と今を感じる充実の1日となりました。
2014年9月10日 ブルガス(ブルガリア)寄港
ブルガリアと言えば、ヨーグルト! 実際、ヨーグルトはブルガリアの食卓には欠かせないもの。今日は、ブルガリアの名産品、ヨーグルトとチーズとワインをたっぷり堪能するツアーへ!訪れたのは地元のワイナリー。伝統衣装に身を包んだワイナリーのスタッフが、グラスワインとお茶目な演出で迎え!「世界最古」のワイン産地の1つとして知られるブルガリア。その歴史は何と3000年以上にのぼるそう!ランチは、ヨーグルトやチーズをたっぷり使ったブルガリア伝統料理。ヨーグルト、ワインにチーズに、野菜やお肉まで——ブルガリアの「味」をたっぷり堪能する、大満足の1日になりました。
2014年9月9日 イスタンブール(トルコ)寄港
イスタンブールの見所といえば、ブルーモスク、正式名称「スルタンアフメト・モスク」。時に「世界で最も美しいモスク」と称されるだけあり、素晴らしい造形美。いつまで見ていても全く見飽きることのない、不思議な魅力があります。特に目を惹くのが壁や天井に施されたモザイク画と壮麗なステンドグラス。ブルーモスクが「世界一美しい」ならば、アヤソフィア宮殿は「ビザンツ建築の最高傑作」。ブルーモスクとアヤソフィア宮殿が向かい合わせに建っているんですから…イスタンブールってスゴイ。ヨーロッパとアジアの狭間、ボスポラス海峡を経て、船はいよいよ黒海へ。次なる港をめざします。
2014年9月8日 キプロスの若者たち
先日、本船がピレウス港(ギリシャ)に寄港した9月7日は、地中海のキプロス島が「分断」されてから40年目にあたる日。日本の四国の半分程度と小さな島ながら、島を横断する「グリーンライン」によってギリシャ系/トルコ系と南北に分断されたキプロス。過去には武力衝突が起こったこともあります。グリーンラインをこえた交流や相互理解の活動に取り組む6名の若者たちが本船にピレウスから乗船。双方の若者たちが1つの船に集い、共に和平への思いを語る——そんな企画は大きな注目を集めるものに。彼らの言葉に勇気をもらい、また多くを学び考える、大切な時間となりました。
2014年9月7日 ピレウス(ギリシャ)寄港
オーシャンドリーム号はギリシャ・ピレウス港へ。寄港地はおおむね晴れ続きの今クルーズですが、ここでも神々しいまでに美しい朝陽が迎えてくれました。ピレウスは首都アテネの外港。船を降りたら、さっそくアテネへ。到着したアクロポリスの丘からはアテネの街が一望できます。建ち並ぶ家々やビルの狭間に、古代ギリシャの遺跡が点在するのがこの街の魅力。丘の上に佇むパルテノン神殿。学生時代に学んだ古代ギリシャやローマの歴史、美術の教科書で見たあの建物、そして現代のギリシャ……その「現場」に、今まさに自分が立っていることに感激し、また多くを考える1日となりました。
2014年9月6日 どうなってるの?ヨーロッパ-ギリシャ経済危機と立ち上がる市民-
地中海諸国のニュースを扱うウェブサイト「M’Sur」の編集長をつとめるジャーナリスト、イリヤ・トッパーさん。テーマはギリシャの経済危機。ギリシャが巨額の負債を抱え、深刻な経済危機にあることが発覚した2009年。“ギリシャ危機”はその後、アイルランド、ポルトガル、スペイン、イタリアなどの経済危機を明るみにするものとなり、ヨーロッパ全土へと波及します。状況は違えど、日本もまた巨額の赤字国債を抱え、社会保障の削減が報じられることも少なくありません。決して“他人事”で片付けることは出来ないギリシャ危機、そしてEUの抱える問題——多くを学び考える講座となりました。
2014年9月5日 バレッタ(マルタ)寄港
地球一周の船旅は、地中海の島国・マルタ共和国に停泊。“地中海随一”と言われる美しい港を一望する展望デッキ周辺には、ハチミツ色の美しいアーチが並びます。バレッタの街を散策。出窓の並ぶ家並みがとってもオシャレ。名物は「パスティッチ」。クロワッサン生地の中にリコッタチーズの入った“おかずパン”と言った方がいいかも!街中のスタンドなどで売っているので、軽食にもピッタリ。オープンカフェの並ぶ路地裏。こんな街に住みたい、こんな街で学んでみたい——誰もがそう考えるのではないでしょうか。美しい街並みと、街に沈む夕日に見送られ、船はゆっくりとバレッタ港を離れます。
2014年9月4日 平和を願うイランの人々
バルセロナからこの旅にイランから3名のゲストが合流。現地に暮らす人々の声を直接聞く貴重な機会とあり、たくさんの参加者がラウンジに足を運びました。「イランは、広島・長崎に次ぎ大量破壊兵器で大きな被害を受けた国。今なお10万を超える人々が化学兵器の後遺症に苦しみ、また国内には1800万発もの地雷が残り、その被害者の多くは農民や子ども達」終戦から25年以上が経ち、今なお続く被害に、戦争がもたらすものを痛感します。テヘランの平和博物館では、化学兵器の被害者が自身の経験を語る「口承歴史プロジェクト」をはじめ、イランにおける平和構築の拠点として活動を続けています。
2014年9月3日 リヴォルノ(イタリア)寄港
その象徴とも言える街、“花の都”フィレンツェへ!まずは「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(花の聖母大聖堂)」!これだけでもぅ大感動。フィレンツェの街が一望できる「ジョットの鐘楼」へ。1359年竣工、高さ何と85m!最上階へ続く細い階段は、600年もの間たくさんの歩みを支えてきたとあり、表面はツルツル。目の前にそびえるドゥオーモ(大聖堂)、広がる街並み–。この街が時に「天井のない美術館」と称されるのも頷けます。実際に訪れ、自分の目で見て肌で感じるという体験は何物にも代え難いもの。「『ぜったい』また来よう」と固く心に誓いフィレンツェの街を後にしました。
2014年9月2日 カンヌ(フランス)寄港
カンヌと言えば、世界三大映画祭の1つ「カンヌ映画祭」。会場前には、観光客向けに大階段&レッドカーペットの大きなパネルが置かれ、映画スター気分が味わえるようにと、マイクやカメラを向けられた構図まで!さてランチは街角のオシャレなカフェで生牡蠣をいただきます。ちなみに1970年代、フランスの牡蠣危機にいち早く真牡蠣の稚貝を贈ったのが宮城県石巻市。そして2011年、石巻の牡蠣産業は東日本大震災により壊滅的な被害を受けます。「今度は私達が助ける番」と、フランスの牡蠣漁の人々からロープや浮きダルなどが贈られます。こんな話を聞くと何だか嬉しくなります。(より美味しく!)
2014年9月1日 本にまつわる仕事のつくりかた
バルセロナから合流した水先案内人・幅允孝さん(BACH[バッハ]代表)。職業は「ブックディレクター」。星の数ほど存在する世界中の本を、本棚の場所やテーマに合わせて選び、配置する「本棚をプロデュースする仕事」。この仕事を選んだのは、人々の「本屋離れ」が進んでいるというニュースから。「人が本屋に来られないのなら、本を人がいるところに持って行こう」と今の仕事が始まり、これまでに数々の書店はもちろん、カフェ、雑貨屋、ホテルのラウンジ、羽田空港内のセレクトショップ、脳梗塞患者のための専門病院など多くの仕事を手がけた幅さん。「人と本の良い出会いを作りたい」と語ります。
2014年8月31日 バルセロナ(スペイン)寄港
地球一周の船旅は、スペイン・バルセロナ港に入港。シャトルバスで市内中心部へ。まず目に入ったのは、ランブラス通りに建つコロンブスの塔。高さ約60m。塔の先端にコロンブスが立ち、右手を海へ向け、左手にはアメリカ土産のパイプが握られています。バルセロナに来て、サグラダ・ファミリアを見ずには帰れません。「ついに来た…」「スゴイ…」感動です。ご存知のようにここは着工から130年以上を経て、未だ建設中。ガウディの没後100年にあたる2026年が完成予定だとか。決して遠い未来ではありません。その姿をしっかりと目に焼き付けておきたい、そう思わせてくれる不思議な建物です。
2014年8月30日 自由への鍵-難民キャンプの子どもたちが描く絵と未来-
ジャーナリストとしてパレスチナやアフガニスタンを取材。報道番組『報道ステーション』のプロデューサーもつとめた水先案内人・後藤和夫さん。パレスチナに興味を抱いたのは、 イスラエル軍の大きな戦車に対し、石を投げる子どもたちの映像だったと言います。「21世紀を迎えようとしている現代に、いったいこの子たちは何をしているのか」以後、パレスチナへの取材を始めます。「テレビや新聞の報道に“良い内容だ”と思ったら、ぜひ褒めてください。反響があれば、メディアはもっといいモノを作って、もっともっと伝えようと努力します」受け手である私たちにも出来ることはある、と呼びかけます。
2014年8月29日 ジブラルタル寄港
ジブラルタルと聞いて、 かのジョン・レノンとオノ・ヨーコが愛を誓い合った場所としても知られるジブラルタル・ロックを思い浮かべる方も多いはず。正式名称はターリク山。そこに登らないワケにはいきません。…の前に、出発地点街の中心部・ケースメイツ広場。ここが出発地点になります。ご飯を食べて、ちょっぴりウィンドウショッピングもして、いざ出発です!!「MOORISH CASTLE」と呼ばれる場所まで登ると、ジブラルタルの街、そして地中海、対岸のアフリカ大陸までが一望できます。帰りは、自らの足でロープウェイに乗り込み(笑)、港を目指します。
2014年8月28日 出身国は地中海
スペイン生まれのモロッコ育ち、現在トルコ在住と多くの文化圏に生きてきたドイツ人ジャーナリスト、イリヤ・トッパーさん。ドイツ語・スペイン語・英語・アラビア語・トルコ語の5カ国語を自在に操る“超マルチリンガル”!!その能力を活かし、NGO報道官、ドキュメンタリー制作、ニュース誌編集者を経て、現在は地中海諸国のニュースを扱うウェブサイト「M’Sur」の編集長をつとめています。「特に最近のニュースはスピード重視でコピーだらけ。情報源がチェックされないまま、間違った情報が駆けめぐっている」そう指摘します。多くの示唆を与えてくれる講座となりました。
2014年8月27日 わたしは紛争で難民になった
旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナ出身のジャーナリスト、ヤスナ・バスティッチさん。「普通の街角に突然、銃を持った兵士が現れ、平和な日常生活が急に終わった」——自身が体験したユーゴ紛争と、そこから考える平和への思いを語っていただきました。「無責任な政治家に自分の命を預けてはいけません。自分の選んだ政治家が何をしようとしているのか、把握しなければいけません。私たちの、そして私たちの子どもの人生は、政治家の意志決定にかかっているのですから——」アタマではわかっていることでも、ヤスナさんの実体験を通して聞くとその重みを改めて感じます。
2014年8月26日 ラスパルマス寄港
▽本文 7つの島からなるカナリア諸島。オーシャンドリーム号は、その一つグラン・カナリア島ラスパルマス港に停泊。アルーカスは、ラスパルマスの西部、グラン・カナリアの北部に位置する古い街。カラフルな可愛らしい街並みが続きます。ランチはカナリア諸島の伝統料理「パパス・アルガーダス」(「モホソース」という、ニンニクとパプリカを効かせたオリーブオイルをベースにしたピリ辛ソースを蒸したジャガイモと和えたもの)に始まり、新鮮な魚と野菜、さらにデザートとボリューム満点。様々な表情を持つ街並みや、壮麗な教会、美しいビーチと大砂丘——グラン・カナリア島の魅力を存分に楽し見ました。
2014年8月23日 やさしいダンス
“誰でも踊れる簡単ダンス”がコンセプトの「やさしいダンス」は、「みやちゃん」こと川口宮子さんが講師をつとめます。ステキな笑顔に、すっかり“ファン”になっちゃった、という参加者、本当に多いんです。艶やかな衣装からも伝わるように、教えるのはポリネシア地域の伝統ダンス・フラ。フラと言えば女性が踊るもの、というイメージが強いかもしれませんが、「やさしいダンス」に男女の区別はありません。“誰でも踊れる”ものですから。(※実際、体感を使って骨盤から動かすフラは、男女問わず、身体にいい刺激を与えてくれますよ!)明日の自主企画発表イベント「まんなか発表会」が楽しみ!!
2014年8月22日 ランチビュッフェ
地球一周・約3ヶ月という長旅において、気になるのは(そして楽しみなのが)やっぱり「ご飯」。今回は、オーシャンドリーム号のお昼ご飯、リージェンシー・レストランのランチビュッフェをご紹介!本船には、合計3つのレストランがあり、それぞれに異なるメニューを見て「今日はパスタかな」「和食中心にしよう」とその日の気分で選べるのが楽しいところ。トレーを取ったらビュッフェ台へ。一番人気はサラダバー。色鮮やかな野菜が並びます。「こっちでご飯を食べて、気になるリドのハンバーガーをチェックして、デザートは…ざっと見てから決めます」なんて“ハシゴ派”も。
2014年8月19日 武者爺を知れば世界がわかる
元国連大学副学長で反差別国際運動(IMADR)副理事長に携わる。これだけでもスゴイ肩書きですが、作家・武者小路実篤の甥、ベルギー生まれの帰国子女、学校ギライの自称「元祖・不登校」……と、興味深いワードが次々と出てくる、水先案内人・武者小路公秀さん。世界が金融中心となり、格差が広がっている近代資本主義に対し警鐘を鳴らします。こういう時代は長続きしません。私たちが資本主義の中で忘れてきた、人間らしい、自然と共に生きる考え方や先人からの知恵。次の時代へ向け、私たちはもっと多様な文明を作る必要があると語る武者小路さんに、講座の後も人の輪が絶えませんでした。
2014年8月19日 カポエラから見るブラジルとアフリカ
20年以上に渡り、ブラジルに伝わるダンス「カポエラ」の研究に取り組んでいるマルシオ・アキラ・コウセイロさん(ブラジル連邦大学カポエラ・センターコーディネーター)。カポエラのルーツは、アフリカからブラジルへ連行された黒人奴隷の歴史にあると言います。奴隷制度への抵抗から生まれたカポエラ。今では、年齢・性別・身体能力・ハンディキャップの有無に関わらず誰もが取り組めるものとして広く親しまれ、世界に800万もの競技者・演奏者があるとか。カポエラは平和と交流のツール(道具)になると語ります。明日から始まる、実践編、マルシオさんのカポエラ・ワークショップが楽しみ!
2014年8月18日 正義の話をしよう-貧困問題と広がる格差社会-
アフリカ地域研究そして国際政治経済学を専門とし、セネガルやカナダ、 明治学院大学で教鞭を執ってきた水先案内人・勝俣誠さん(明治学院大学国際平和研究所所長)。奴隷貿易や植民地政策の歴史こそ、貧困が人の手で作られることの証明と指摘します。貧困は、「大国による不公平な貿易や、国際機関の強引な経済政策が貧困を作り出している」と言います。貧困に陥った国はその負の連鎖から抜け出せない構造を築き、豊かな者にはより大きな利益をもたらし、格差を一層助長する。改めて「貧困」や「格差」「セーフティーネット」そして「豊かさ」について考えたという参加者も多かったよう。
2014年8月17日 ベレン(ブラジル)寄港
急激な経済発展が進む中、貧困による児童労働や虐待、路上生活などを強いられる子どもたちを支援しているNGO「エマウス共和国」。そのユニークな活動に学ぶプログラムに参加します。共和国内にある学校施設では、授業以外にも音楽・アートなどのワークショップ、高校生になると自らの力で生きるための職業訓練や企業へのインターン、HIVや性教育のクラスもあるそう。交流会では、けん玉やぶんぶん独楽、折り紙など、日本の遊びを紹介。好奇心旺盛で、物怖じせず、笑顔で真っ正面から向き合ってくれるエマウス共和国の子どもたち。エマウス共和国の取り組みに多くを学ぶ、大切な1日となりました。
2014年8月13日 PEACE DAY-戦争の記憶を語り継ぐ-
終戦から69年。「継承」という言葉が、世界でも大きく取り上げられる今、“1945年8月15日”を経験した当時5歳〜20歳、立ち位置もその日を迎えた場所も異なる方々にそれぞれの8.15を語っていただきました。「戦争の記憶が薄れていくと共に、これからの日本がどうなっていくのか。不安でいっぱいです」講座に参加した若者の言葉に、「焦らないでください。若い人たちの責任ではありません。きっと大丈夫。一緒に歩んで行きましょう」と中谷さん。その呼びかけに勇気づけられた参加者も多かったよう。ここをスタートラインに共に出来ることを模索することもできるでしょう。
2014年8月11日 水彩画教室
地球一周で新しいコトに挑戦したい——そんな皆さんに大人気なのが、洋上水彩画教室。今日は、出航からここまでに描いてきた作品の評価会が行われると聞き、レポートさせていただくことに。パナマ運河!こないだ通ったばかりですが、こうして絵になってみると、「この景色を通ったんだなぁ…」と感慨深く、またちょっと嬉しくなります。それにしても上手いな〜。出航から1ヶ月ほどでこんなに描けるようになるなんて、スゴイです。お互いの絵を見て、また自分の絵を見てもらって、ますますやる気になったよう。水彩画教室、ますますの盛り上がりになりそうです。
2014年8月10日 ウィレムスタード(キュラソー)寄港
パナマ運河を経て、カリブ海をゆくオーシャンドリーム号はキュラソー島ウィレムスタードに寄港。面積は日本の佐渡島の半分程度ですが、ユネスコ世界遺産にも登録された歴史地区や、美しいビーチなど、見所はたくさん!まずは港近くの散策へ出かけます。パステルカラーの家並みが続く歴史地区。南国らしいカラフルな花々とのコントラストも、たいへん美しい景色を作り出しています。島の中心地にあたるオトロンバ地区。ブンダとオトロンバ、2つの地区を繋ぐのが、歩行者専用のクイーン・エマ橋。実は「浮き橋」。船の通過を知らせる鐘が鳴り、橋が動き出す様には、なかなかビックリさせられますよ。
2014年8月9日 本当の豊かさとは?
国際環境NGO「地球の友(FoE)」元代表で、現在はエルサルバドルの環境NGO「CESTA」代表を務める環境活動家、リカルド・ナヴァロさんによる講座のテーマはずばり「グローバリゼーション」。「望む、望まないに関わらず、グローバリゼーションの波は押し寄せる。問題は私たちがそれにどう対峙するか」だと指摘します。「(海の)波は大きな力を持っています。しかし、もとをたどれば一滴の水。同じように、私たちひとりひとりが集まれば、世界の流れを変えることが出来ます」その言葉に勇気をもらい、また、私たちひとりひとりの生活を省みる、大切な講座となりました。
2014年8月8日 ハチドリの目から見る世界
パナマからこの旅に合流した、作家であり環境活動家の水先案内人ビンカ・レ・ブレトンさん。イギリス出身、現在はブラジルの熱帯雨林在住。熱帯雨林の保護活動を行う「イラカンビ研究所」を設立し、地域の人々と共に、環境・医療・教育・人権など様々な課題に取り組んでいます。ビンカさんは、日本でも出版された南米のアンデス先住民族に伝わる『ハチドリのひとしずく』を取り上げ、「私たちひとりひとりは微力だけれど、無力ではない」と語ります。「命は尊く、そして美しい——私たちはもっとそのことを強く認識し、信じ、大切にするべきです」そんな言葉が強く印象に残る講座となりました。
2014年8月7日 クリストバル(パナマ)寄港
パナマの緑豊かな湿地や温帯林。この美しい自然を保つ大切な役割を果たしているのが、パナマ運河の中央に位置するガトゥン湖です。もともとは、運河の水量確保と、険しいパナマ地峡を克服するために作られた人口湖。ボートで行くと、この土地ならではの様々な動植物に出会います。「あそこにナマケモノがいますよ〜」ナマケモノは豪雨の中でも変わらず、枝を掴んで木の上にいるそう。ボートを降り、ふと足下に目をやると、小さなシダのような植物。ちょんと指で触れると、ふわぁ〜っと葉を閉じる、オジギソウです。雨の散策も美しく楽しい体験に。パナマの自然を体感する、楽しい時間になりました。
2014年8月6日 パナマ運河通航
本船は、地球一周のハイライトの一つ、パナマ運河通行の日を迎えました。太平洋と大西洋をつなぐ、全長約80kmに渡る閘門式運河は時に「人類史上最大の建造物」と称されることも。パナマ運河といえば、「船が階段を昇る」という不思議体験。大西洋と太平洋の間、パナマ地峡が持つ26mもの高低差を克服するために生まれた「階段式運河」ならではの体験です。前方デッキにも、この運河通航の様子をしっかりと目に焼き付けておこうとたくさんの参加者が集まります。「パナマ運河通航中」のパネルを持って記念撮影。最後のガトゥン閘門が開きました。門の向こうはカリブ海、そして大西洋です!
2014年8月5日 中米における防災-災害に強い町づくりに向けて
国連・国際防災戦略事務局(UNISDR)が実施する「世界防災キャンペーン」。市民レベルの、災害への意識向上と災害に強い街作りをめざし、様々な提言や取り組みを行っています。ピースボートは今年5月、東日本大震災への復興支援活動などからこのキャンペーンの「パートナー」として、防災/減災について発信しています。こその一環として、今クルーズに、中南米諸国で自然災害への対策に取り組む若手リーダーを招待し、中南米での取り組みについて紹介してもらいました。異なる国や地域の智恵や経験を共有し、また、「その時」のために横の繋がりを作る、第一歩の取り組みがここから始まります。
2014年8月3日 コリント(ニカラグア)寄港
女性の権利や、女性への暴力が問題としてあげられることが少なくない中南米。こうした中、ニカラグアは女性の権利を守る政策にいち早く着手し、「女性省」を立ち上げるなど、その取り組みは国際的にも高い評価を得ています。ニカラグア家庭経済省が進める「HAMBRE CERO(飢餓ゼロ)プロジェクト」を行っている農村を訪問。男性は別の場所で就労していたり、他地域へ出稼ぎに出ていることが多いこの村では、経済的に貧しい地域に家畜や野菜の苗が提供され、これらを「元手」に酪農や農業を営み自立へと繋げています。「女性と社会」について様々な視点から考える、大切な1日となりました。
2014年8月3日 コリント(ニカラグア)寄港
地球一周の船旅・オーシャンドリーム号は中米ニカラグアのコリント港に寄港しました。入港の際、港にはたくさんの人。入港を一目見ようと集まってくれたそうですが、こんなにたくさん!?船を降りると、地元の皆さんが笑顔で迎えてくれました。1980年代後半まで続いた内戦や、その後も続いた政情不安などから、経済的には発展途上にあるニカラグア。観光に訪れる人も少なく、こうした客船の寄港もまだまだ珍しいこと。2年に1度ほどコリントに寄港するピースボートを、地元の人たちはとても楽しみにしてくださっているそう。どんな人々、どんなシーンに出会えるのか、期待が高まります。
2014年8月2日 マヤ最大の遺跡ティカルへ
エルサルバドルから飛行機で隣国グアテマラへ。向かったのは、マヤ文明最大と言われる「ティカル遺跡」。約1時間のフライト。ふと窓の外に目をやると、虹が!高い木が生い茂る森の中を歩いて行くと、ぱっと視界が開き、突如として現れた精巧な遺跡群に、ただただ驚くばかり。テレビやガイドブックで見た、あの神殿が目前に…。感動です。続いて、長い階段を昇りきると、この景色!ジャングルの中に点在する遺跡が一望できるんです。ティカル遺跡には、まだまだ“発見”されていない建造物がたくさんあると言われています。今後の研究で、どんな遺跡や歴史が見つかるのか、楽しみでなりません。
2014年8月2日 アカフトラ(エルサルバドル)寄港
中南米諸国の多くが中世に始まった欧米列強による「進出」以来、情勢不安が続き、近現代まで内戦や軍政の歴史を有していますが、ここエルサルバドルも同様の歴史をたどり、1980年から実に12年にわたり内戦が続きました。当時、軍に誘拐され行方不明となった多くの子どもたちがの捜索活動を続ける団体「PROBUSQUEDA(プロブスケダ/「捜し出すため」の意味)」を訪れ、内戦の歴史を考えます。「内戦の真相究明のために、国際社会も協力して欲しい」そう訴える同団体皆さん。遠く日本からでも声をあげることは決して無力ではない——そんな思いをあらたにするプログラムとなりました。
2014年7月31日 Life Onboard〜洋上のヒトコマ〜
日々、刻々と色彩を変える海や空。洋上からのぞむ大海原や広がる空は、どれだけ見ていても見飽きることはありません。水平線から日が昇り、夕方には日が沈む——毎日当たり前に繰り返される景色ですが、本当に様々な表情を見せてくれます。 「あっ!ほら、あそこ!」「えっ!?ドコ?」「ナニ?なんかいたの!?」にわかに賑やかになります。皆さんが指さす方向へカメラを向けると……ウミガメ!残念…イルカじゃない……と思ってしまいましたが、ウミガメだって貴重です。だって皆さん、大海原を泳いでいるウミガメ、見たことあります??カワイイんですよ〜!
2014年7月28日 洋上大運動会
地球一周の船旅の一大イベント、洋上大運動会が開催。運動会は誕生月別に3つのチームに分かれて行います。運動会を盛り上げるトップを飾るのは、洋上の保育園「ピースボート子どもの家」の子どもたちによる、沖縄伝統舞踊エイサー。「カワイイ〜!」と黄色い声援が飛び交います。続いてボール送り。20人が1列になってボールを後ろへ後ろへ。この競技が一番難しかったかも。大縄跳び!連続で跳び続けるのは結構タイヘン。「せーの!イチ、ニィ、サン…」しっかり声を合わせて見事な跳躍!熱戦を制したのは、黄組!みんなで集合写真を撮り、洋上大運動会はこれにて終了。皆さん、お疲れ様でした。
2014年7月29日 リフレッシュデー
ここまでたくさんの企画や講座、イベントにと全力疾走だった地球一周の船旅。ここでちょっとブレイク、と今日は船内企画の多くをお休みにする「リフレッシュデー」に。皆さん、のんびりと1日を過ごします。大きな窓が続く8階のプロムナードでは、碁盤に向かったり…本を読んだり、書き物をしたり——。デッキでも皆さん、それぞれに船旅を楽しんでいます。お昼にはバーベキューが始まりました。これはウレシイ!そして楽しい!それぞれに、ゆったり、のんびり、そして楽しい時間を過ごして、ココロもカラダも充電完了!明日からの船内企画、そしてこの後続く寄港地も、めいっぱい楽しみましょう!
2014年7月27日 STOP! ガザ空爆
連日、大きな被害が伝えられるイスラエル/パレスチナ紛争。早期の停戦を求め、船内でも参加者有志による停戦を求めるアクションが始まりました。決して「他人事」ではないイスラエル/パレスチナ問題。何をすべきか、私たちに何ができるのか。意見を出し合い、まずはイスラエル軍によるガザ地区への空爆停止を求める横断幕を作ることに。大きな紙を何枚も貼り合わせ、メッセージを記します。「STOP! 空爆 PEACE for PALESTINE」(空爆を止め、パレスチナに平和を)今クルーズは、地中海を抜けた後、中東・ヨルダンへ寄港。パレスチナ難民キャンプの訪問も予定しています。
2014年7月23日 のど自慢大会
イベント大好き!な地球一周の船旅。今夜は「洋上のど自慢大会」の開催です!事前に行った予選を勝ち抜いた13組によって行われ、審査をするのは会場の皆さん。エルヴィス・プレスリーの『Blue Hawaii』を皮切りに、ピンク/レディーの『UFO』、テレサ・テン『時の流れに身をまかせ』…と曲調もジャンルも様々。大盛り上がりののど自慢大会はこれにて終了。早くも第二回大会へのリクエストが寄せられているとか?!ちなみに船内では、毎晩21時〜24時、バー・バイーアが「カラオケ・バー」に。次回大会に向けて、ここもますますの盛り上がりになりそうです。
2014年7月21日 健康上手〜世界の船上から〜
100日あまりの船旅。長旅ゆえに健康管理が気になる、という方も多いもの。船内には診療室があり、医師・看護師も乗船していますが、船の診療室って?——「ハイ、お答えします!船内診療室、医師の江角悠太です」とマイクを持った江角医師が笑顔で登場。「船上の医療」についてお話しいただきました。「皆さん、健康でいてくださいね。体調を崩す前に予防していきましょう」と江角医師。温かく朗らかな人柄に、すっかり安心された参加者も多かったよう。「気になることがあれば、何でもご相談ください。お話だけでも大歓迎ですよ」とニッコリ。これから3ヶ月、よろしくお願いします。
2014年7月20日 ホノルル寄港〜災害に強い社会と持続可能な暮らし〜
あまり知られてはいませんが、ここハワイイは防災・減災の取り組みではオセアニア地域をリードする存在。そこで、ハワイイの災害対策の第一線で活躍する災害対策専門家カラニ・ソウザさんから、災害に強い社会作りについて学ぶプログラムに参加。「大切なのは、日頃から笑って、話をして、子どもたちを見ること。そして災害が起きた時にはみんなで助け合うこと。何かが起きた時(それが自然災害であっても)、みんなに責任があるんです」防災/減災の専門家が語る「大切なこと」は、大規模な設備でもシステムでもなく、コミュニティや人と人との繋がり——多くを考えさせられます。
2014年7月18日 海の上のジャンベ教室
「ワン・ツー・せーの!」ドォ・ドン・ドォ・ドン・タッ・ドン・ドォ・ドン・タッ。水先案内人ラティール・シーさん(ジャンベアーティスト)のかけ声とともに、デッキでジャンベのワークショップが始まりました。大海原の上、青空の下でのジャンベ教室——気持ちいい〜!この後寄港するニカラグアで行われるフェスティバルで、その成果をお披露目することになっているんです。肩の力を抜き、リズムに身を委ねると、ジャンベの音にも弾みが出てきます。短期集中で、ぎゅっと練習できる洋上ですから、もっともっと上達できるはず。フェスティバル当日、どんな演奏になるのか、今から楽しみ!
2014年7月16日 なぜ戦争は起きるのか
世界各地の戦争や災害、環境破壊の“現場”を取材、撮影し続けてきたフォトジャーナリスト桃井和馬さんに「戦争」をテーマにお話しいただきます。戦争の理由として語られることの多い“民族問題”や“宗教対立”。しかしこれらを「ただの後付でしかない」と桃井さんは言います。「背景にあるのは土地や資源、食料、水などこの地球にあるものです。国や権力者がこれらを過剰に求めた時、そこに争いが起こります。そして、これらの“本当に欲しいもの”は隠されます」美しくも、多くを問いかけ、訴える写真。そしてこれらの現場を見つめ続けた桃井さんの言葉に、改めて“戦争”を考える時間となりました。
2014年7月15日 KA NOHONA PILI KAIを歌おう
水先案内人のはらヒロコさん(ミュージシャン)による歌のワークショップ。夕刻、太陽がだんだんと水平線へ向かい、空が刻々と色を変える中、デッキに柔らかな歌声が響きます。のはらヒロコさんのリードで歌うのは、もちろんこの曲、『KA NOHONA PILI KAI』。大海原で歌う、ただそれだけなのに、歌詞が、メロディが、ココロに染み入るよう。年齢も性別も職業も国籍もさまざま。でも、みんなで一つの歌を歌える、それだけで何だか嬉しい。これも洋上ならではのマジックかもしれません。目の前に広がるのは、まさに絶景!地球一周の船旅ならではの、素敵な企画になりました。
2014年7月12日 航海の雑学〜旅と海と時々ロマン〜
「日課はお客様とのカタフリ」そう笑顔で語るのは、本船事務局長をつとめる挾間俊一。ちなみに、「カタフリ」とはセーラー用語で「雑談」のことなんだそう。こんな“セーラー用語”が日常会話の端々に出てくる挾間は、1万トン程度の貨物船乗組員から、30万トンを超える鉱石運搬船(タンカー)の航海士、またキャプテン(船長)の経験まで持つ、まさに生粋の船乗り。みなさんが食いついたのは、「グリーンフラッシュ」という単語が出た時。明日から、朝日・夕日の時間はデッキが混み合いそう。このクルーズでグリーンフラッシュは現れるのでしょうか——。
2014年7月9日 第84回ピースボート「地球一周の船旅」出航!!
集合時刻を迎え、今回のクルーズに参加される皆さん、ぞくぞくと集まってきました。「撮りますよー、ハイ、チーズ!」こんな様子もあちこちで。寄せ書きいっぱいのシャツ。旅に向けて、お友達がおくってくれたものでしょうか。そう、地球一周するってこいうコト。旅立つ私たちにとってはもちろん、見送る側にとっても特別なことなんです。船と岸壁を繋いでいた最後のロープが外れると「ボーッ!」と力強い汽笛の音が港一帯に響き渡ります。「行ってきま〜す!」「行ってらっしゃ〜い!」次に戻ってくるのは105日後。少しの寂しさと、その何倍ものワクワクをこめて、「行ってきま〜す!」