アーカイブ: 寄港地
イタリア南東部、アドリア海に面したバーリは、世界中から観光客が訪れる商業都市。グルメや街の散策、足を伸ばして世界遺産の観光など見どころに満ちた寄港地です。
ここにしかない特別な景色を
バーリから訪れたいのは、プーリア州に位置する人口1万人ほどの小さな村・アルベロベッロ。ここには、円錐形の屋根と白壁の家が特徴的な「トゥルッリ」が建ち並び、世界でも類のないメルヘンチックな景観から、世界遺産にも登録されています。文化財指定地区のモンティ地区には土産物屋やレストランが軒を連ね、路地の散策にもおすすめです。また、耳たぶの形をした丸いパスタに伝統の青菜とアンチョビをトマトソースで絡めた地元料理”オレッキエッテ”も、この地を訪れたらぜひ味わいたい一品です。
洞窟の町マテーラへ
ブーツの形をしたイタリア半島の、土踏まずの辺りに位置するマテーラ。ここには、11世紀にイスラム教の迫害を受けたトルコ人僧侶たちが凝灰岩に穴を開けて教会や住居を築いた洞窟の街があります。クラヴィーナ渓谷の斜面に沿って建ち並ぶ建物は、見る角度や天気によってさまざまな表情をもち、大いに旅情を誘います。中でも、ドゥオモ広場からの大パノラマや、巨大な岩塊をくり抜いた「サンタ・マリア・デ・イドリス教会」は必見。当時の生活の様子がうかがえる洞窟住居「グロッタの家」も、ぜひ訪れたいスポットです。
南イタリアをめぐる旅
地中海の中央に位置していることから、古来より数々の歴史と文化が交差してきたイタリア南部。このエリアは、ヴェスヴィオ火山と紺碧の海が美しいナポリの街や、「世界一美しい海岸」と称されるアマルフィ海岸、火山灰に埋もれた古代都市ポンペイなど、旅情あふれる魅力的なスポットに恵まれています。また、イタリア南部はグルメの宝庫。新鮮な魚介や地中海の日差しをたっぷり浴びた野菜をふんだんに使ったイタリア料理も楽しみです。ピースボートクルーズでも頻繁に訪れる、南イタリアの寄港地の魅力を紐解きます。
[特集記事]魅惑のイタリア歴史散歩-2-
北大西洋へとつながる、ビスケー湾に面したフランス南西部の華やかな港町。歴史的な建物が多く、重厚な街並みが楽しめます。また、ブルゴーニュ地方と並んで世界最高峰の高級ワインを生み出す産地として知られています。
美食も歴史散策も
歴史あるブルス広場を美しく映し出す、水の鏡。ボルドー市内を流れるガロンヌ川沿いで、ボルドー観光に欠かせない場所。夜には、薄く張られた水が鏡のように宮殿や街灯をゆらゆらと反射し、ただただ美しく幻想的な風景です。 ブルス広場からは、「キリスト教聖地巡礼路」の一部として世界遺産に登録されているサン・タンドレ大聖堂やヨーロッパ一広いカンコス広場へも訪れることができます。歩き疲れたら、カフェでひとやすみ。ボルドー名物の「カヌレ」やワインをお楽しみください。
名産ボルドーワイン
ピレネー山脈の谷間を源にして、大西洋へとつながるガロンヌ川。この川が培った豊かな土壌は、ブドウ栽培に適しており、誰もが知るワインの名産地を生み出しました。1905年に制定されたAOCの称号(原産地呼称統制)の制度により、「ブライ」、「マンゴー」、「ポイヤック」、「ぺサック・レオニャン」、「サン・テミリオン」、「サン・テステフ」、「サン・ジュリアン」、「ソーテルヌ」といった、世界に名の知られたAOCワインの生産地が、ボルドーのワイン街道には多数存在します。美しいブドウ畑を眺めながら、本場の味に舌鼓を。
アイルランド共和国の首都であり、人口の3分の1が集まる政治、経済、文化などの中心地。かつてイギリスの統治下にあったため、英国様式の建物も数多く残されています。
クラシカルな雰囲気漂う街
伝統的な美しい街並みのダブリン。中でも、旧市街にあるアイルランドに現存する最古の国立大学「トリニティ・カレッジ」はエリザベス1世が設立したという伝統ある学校です。ここの旧図書館は、「世界でも最大の研究書物を収蔵する図書館」で、20万点もの蔵書が収められており、華麗で荘厳な雰囲気が味わえます。また、アイルランドの国宝で「世界で最も美しい本」とも呼ばれる「ケルズの書」も収められていて、アイルランドの歴史や伝統、文化を垣間見ることができます。
本場の味を楽しむ
パブは、アイルランド文化のひとつといっても大げさではないほど、地元の人びとの生活に欠かせない場所。アルコールを楽しむだけではなく、ティータイムとして、また簡単に食事をする場所として、誰もが気軽に利用しています。ダブリンの中心部にあるテンプル・バー地区は、リフィ川に沿って中世の街並みが保存され、入り組んだ狭い道に沿って数えきれないほどのパブやレストランが軒を連ねます。ここにあるのが、赤と黒のデザインが印象的な「テンプルバー」という老舗のパブ。ギネスビール発祥の地、ダブリンで本場の味を楽しむのも一興です。
[特集記事]歴史とご縁の橋渡し-航海作家が選ぶ歴史航海-
11世紀ごろから貿易港として栄えたサウサンプトンには、街を守るために城壁が築かれました。現在でも、いたるところで歴史深い街並みや当時の面影を見ることができます。
歴史を感じる街をゆく
タイタニック号が出航した街としても知られるサウサンプトンは、ヨーロッパきっての港町です。貿易で栄えた中世に街を防御するために築かれた城壁は、「バーゲート」と呼ばれ、 今も街の象徴として人びとに親しまれています。もうひとつ、中世の生活を知ることができる「チェダーハウス」も街を代表する歴史的建造物です。当時の生活道具や街の様子を知ることができる博物館として多くの人が訪れています。空に向かって伸びる大きな時計台が特徴の「シーシティ博物館」には、タイタニック号に関する展示が並んでいます。まるでタイムスリップしたかのような世界が広がっています。
謎の巨石建造物
平野にこつぜんと現れる巨大環状列石・ストーンヘンジが作られたのは、紀元前3000年~前1500年ごろ。最大で50トンにもなる 石は約30km離れた場所から運ばれてきており、さらに石が倒れないように高度な技術が用いられていたこともわかってきています。しかし、造られた年代や製造方法は少しずつ解明されつつあるものの、誰が何のために造ったのか、いまだに多くの謎が残されています。神秘的な空間にそびえたつ巨石と残された謎──ストーンヘンジは、多くの人びとを魅了しつづけています。
かつてハンザ同盟都市として栄えた、バルト三国・エストニアの首都。当時の面影が強く残る城壁に囲まれた旧市街には、中世の街並みが色褪せることなく息づいています。
中世の街並みを歩く
中世ハンザ都市の歴史を刻むタリンの旧市街は、ヨーロッパ屈指の歴史地区として知られており、世界遺産にも登録されています。入り組んだ石畳の路地に色とりどりの建物が建ち並び、まるで絵本の世界のようなロマンチックな街並みが広がります。トームペアの丘からは、とんがり屋根の塔やカラフルな屋根が可愛らしい旧市街の風景や、彼方に広がるフィンランド湾が一望できるでしょう。13世紀・ドイツ騎士団の時代から、デンマーク時代、帝政ロシア時代、ハンザ時代と、世界史を紐解く街歩きをお楽しみください。
郊外に広がる大自然
国土の半分を深い森林や湿原に覆われたエストニア。そんな大自然を存分に感じられるのが、美しい湿地が広がるラヘマー国立公園です。国立公園に指定されているエリアは、74,000ヘクタール以上にもおよび、豊かな森林や絵画のように美しい湿原、石と砂の海岸など、変化に富んだ自然に恵まれています。園内には、数多くのトレッキングコースが用意されており、自然を満喫することができます。また、かつての荘園領主の邸宅や考古学遺跡なども点在しており、自然のほかに歴史や文化も同時に楽しむことができます。
バルト海の美観都市
世界史の表舞台に登場することは少ないものの、800年以上の歴史に彩られた「バルト三国」。地理的・歴史的共通性からなにかと一括りで捉えられがちですが、それぞれに異なる言語を話し、独自の文化を有しています。バルト三国を構成するラトビア、エストニア、リトアニアの首都はそれぞれが世界遺産に登録されており、絵本のような街並みは私たちを中世の世界へと誘います。美しい建物に重ねられた歴史、そして繊細な技が光る手仕事の数々――ヨーロッパ屈指の美しさを誇る旧市街をめぐる旅へと出掛けます。
[特集記事]秘められた、バルトの輝きを求めて
ハンザ同盟の中心地として栄えたドイツ北部の港湾都市。宮殿のような市庁舎や赤レンガの倉庫街や多くの教会など、かつて商人たちが行き交った歴史ある街並みを楽しめます。
ドイツに息づく水の都
正式名称を「自由ハンザ都市ハンブルク」といい、ハンザ同盟の都市として栄えてきたハンブルクは、ドイツ有数の経済都市でありながら、美しい景観が魅力です。街はエルベ川の支流アルスター川の河口に位置しており、街には何百もの運河が張りめぐらされています。運河に沿って建ち並ぶネオゴシック様式の倉庫街は世界最大級の規模を誇り、重厚で時代を感じさせます。現在では倉庫の一部はカフェやショップとして使われており、建物の外観を眺めるだけでなく、中に入ったり、買い物を楽しむこともできます。
中世の街ブレーメンへ
フランクフルト近郊にあるハーナウから北に600Kmほど続く、メルヘン街道の終着点の街ブレーメン。グリム童話「ブレーメンの音楽隊」の舞台としても有名で、童話の世界さながらの中世の街並みが広がっています。欧州一美しい広場といわれるマルクト広場や600年前に建てられた世界遺産の市庁舎、メルヘンチックな家々が軒を連ねるシュノーア地区など、見どころにあふれています。また、マルクト広場の隅にたたずむブレーメンの音楽隊の像も、ぜひ訪れたい人気スポット。ロバの足に触ると幸運に恵まれるといわれています。
太平洋と港に囲まれ、海の景色が美しい港町。エルサレム・ローマと並ぶキリスト教の三大聖地に数えられるサンティアゴ・デ・コンポステーラにもアクセスでき、新鮮な海の幸も絶品です。
「巡礼の道」をゆく
フランスのピレネーからスペインを横断し、約800キロメートル離れた”聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラ”を目指す「巡礼の道」。キリスト教の十二使徒のひとり、聖ヤコブ(スペイン語で「サンティアゴ」)の墓が見つかったという伝説により、ヨーロッパ中から大勢の巡礼者がこの地を目指すようになりました。世界遺産にも登録され、多い時では年間50万人がこの道を歩きます。巡礼の道を辿りながら、スペイン北部の自然と、この道の最終目的地であるカテドラルやキンターナ広場などの歴史的建築物の美しさに、心清らかになるひとときをお過ごしください。
歴史薫る建築物をめぐる
ア・コルーニャから少し内陸にある街ルーゴの世界遺産「ルーゴのローマ城壁群」。ローマ帝国の軍事拠点として発展した面影を残すルーゴの旧市街をぐるりと取り囲む城壁は、その保存状態の良さと美しさから一見の価値があります。また、港町ア・コルーニャの入り口で、およそ1900年にもわたり明かりを灯し続けてきた世界最古の灯台「ヘラクレスの塔」。234段のらせん階段をのぼった先に続く展望台からは、パノラマに広がる大西洋の絶景を望むことができます。
スペイン王室も訪れる世界的なリゾートアイランド、マヨルカ島。州都パルマには中世の建築物が数多く残っており、歴史ある街並みと美しいビーチを楽しむことができます。
輝く光のカテドラルへ
島の中でも圧倒的な存在感を持つ、パルマ大聖堂。海を見下ろすように建てられた大聖堂は、17世紀のはじめにこの地を征服したハイメ1世によって建てられました。19世紀に地震によって崩壊した際、アントニ・ガウディが修復に携わった建物としても知られ、堂内ではガウディが手がけた壁画、説教台、天蓋を見ることができます。また、1,236枚もの色とりどりのガラスからなる芸術的なステンドグラスから、この大聖堂は「光のカテドラル」とも称されています。
美しい島の郷土料理
海にも山にも恵まれたマヨルカ島。この豊かな土地で育まれた伝統料理は、海の幸よりも山の幸を取り入れた料理が目立ちます。豚肉や野菜をたっぷり使った煮込み料理が多く、素朴な味わいが食欲をそそります。豚肉のパテのような熟成生サラミ「ソブラサーダ」は、マヨルカ島名物の筆頭。ほかにも、豚肉とキャベツの煮込みやグリル野菜にトマトソースをかけた料理など、自然豊かな島で育まれた滋味あふれる郷土料理をお楽しみください。
紀元前からの歴史を有するフランス最大の港湾都市。同国最古の港として知られるマルセイユ旧港は19世紀まで貿易の中心として利用され、今はヨットハーバーとなっています。
南仏の風光明媚な街へ
ゴッホやピカソ、マティスなど、多くの芸術家も愛したプロヴァンス地方の港町マルセイユ。2600年もの歴史がある街には、風光明媚な街並みが広がります。標高150メートルの丘の上にそびえる「ノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂」は、街のシンボル的存在で、ここからマルセイユ市街が一望できます。この街は、対岸にあたる北アフリカをはじめ世界各地から多くの移民が集まる「多民族シティ」としての一面も有しています。フランスの都市部とは異なる、この土地独自の歴史や文化と出会えるでしょう。
南仏を彩る豊かな文化
魚介類をふんだんに使用した南仏の名物料理、ブイヤベース。マルセイユはブイヤベース発祥の地としても知られます。街の旧港河岸で毎朝開かれる魚市には水揚げされたばかりの魚が並び、周辺にはブイヤベースを出すレストランが軒を連ねています。そして、お土産として人気なのが植物性の石鹸です。フランス王室も認める品質の高さから「王家の石鹸」とも呼ばれるマルセイユの石鹸は、古くから上流階級の人びとに愛され、世界中に数多くの愛用者がいます。
フランス最古のワイン産地
古くから港の発展とともに歩んできたマルセイユ。美味しい南仏料理に欠かせないワインも、この街の大きな魅力です。産地としてはボルドーやブルゴーニュなどが有名ですが、実はフランスにおけるブドウ栽培の歴史はここプロヴァンス地方が最古で、その起源は古代ギリシャ時代に遡ると言われています。丘陵地帯に囲まれた段丘畑、海風と季節風、そして石灰質を多く含む乾燥した土壌はブドウ栽培に最適な環境なのだとか。ここでの生産量の90%を占めるロゼワインは、フルーティーでフレッシュなさわやかさが特徴です。
[特集記事]陽光輝く地中海の港町で、南仏グルメとワインを堪能する
船が着岸するティルベリーは、テムズ川の河口に位置する首都ロンドンの外港。古くからロンドンをはじめイギリス各地への"海の玄関口"として重要な役割を担ってきました。
伝統と革新が息づく街
多様な文化や民族が調和し、コスモポリスと呼ぶにふさわしいロンドンの街。エリアによって異なる表情が見られ、格調高い伝統と最新カルチャーが入り交じった姿にふれることができます。特に、ロイヤルファミリーの住居となっているバッキンガム宮殿は、ぜひ足を運びたいスポットです。また、金融街としても有名な「シティ・オブ・ロンドン(通称:シティ)」周辺には有名な観光スポットも多く、散策しているだけでたくさんの刺激に出会います。訪れるたびに新しい発見がある――そんな国際都市をお楽しみください。
リバーサイドを歩く
ロンドンのテムズ川周辺エリアには、有名な観光地が多く存在しています。その代名詞ともいえるのが、世界遺産のロンドン塔。11世紀に建造された城砦は、国王が住まう宮殿として使われたほか、造幣所や天文台、銀行、動物園、そして監獄など、幅広く使われました。現在でも英国王室の儀式などに利用されています。そしてロンドン塔のすぐそばにあるタワーブリッジも、ぜひ訪れたいスポットです。テムズ川にかかる美しい橋はゴシック様式のタワー上部が展望台になっており、ロンドン市内を一望することができます。美しいタワーブリッジを正面から見たいという方には、テムズ川クルーズもおすすめです。
[特集記事]歴史とご縁の橋渡し-航海作家が選ぶ歴史航海-
謎の巨石群と出会う
イギリス南部の平原に忽然と現れる、巨石建造物ストーンヘンジ。圧倒的な質量の巨石群は、訪れる人びとを圧倒します。建造された年代や方法は徐々に解明されつつありますが、造られた目的は依然として謎に覆われています。ケルト民族の礼拝堂説や天文台説、王の墳墓説など諸説ありますが、高さ6メートルの玄武岩と中心部の石を結ぶ直線状に太陽が昇ることから、現在では太陽崇拝に関係するという説、あるいは埋葬場所という説が有力です。世界中の人びとを魅了する、謎と神秘に包まれた遺構をお楽しみください。
世界都市の多面的な魅力
世界有数の大都市ロンドンには、中世からの伝統を今に伝える歴史的なスポットが数多く残る一方、ファッションやアート、音楽などのカルチャー分野においても最先端のトレンドが集中しています。またイギリスは世界有数のチャリティー大国でもあり、慈善活動が市民の暮らしの一部として根付いています。首都ロンドンでも、さまざまな取り組みが日常の中に溶け込んでいます。テムズ川沿いのエリアを中心に、由緒ある伝統と最先端のトレンドが同居する世界都市ロンドンの多面的な魅力に迫ります。
[特集記事]世界都市の文化にふれる