謎とロマンに彩られた絶海の孤島
南太平洋に浮かぶ「絶海の孤島」イースター島は、ピースボートクルーズでも屈指の人気を誇る寄港地のひとつ。なかでも、島のあちこちにたたずむ巨大なモアイ像は観光のハイライトです。イースター島への行き方は限られていて、世界のどこからもアクセスしづらく隔絶されています。だからこそ、未だ多くの謎に包まれた石像が点在する島は世界中の人びとを惹きつけてやみません。
イースター島への行き方をはじめ、モアイ像との出会いや島の観光、この地ならではの美しい自然環境を未来へとつなぐ人びととの交流など、この島の多様な魅力全てがロマンを掻き立てます。
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文・構成 / 編集部 写真 / PEACE BOAT
絶海の孤島イースター島への行き方
半径およそ2,000キロメートルを海に閉ざされたイースター島は、世界で最も隔絶された場所です。イースター島への飛行機での行き方は、チリの首都サンティアゴ経由かタヒチ経由かの2通り。どちらもかなりの長時間フライトで、イースター島は日本からは地球上で最もアクセスしづらい場所のひとつだといえます。また、ピースボートクルーズでこの島を訪れる場合は、南米のバルパライソ(チリ)やカヤオ(ペルー)から1週間弱、またタヒチからは8日間を要します。イースター島は世界のどの地域からも遠く、行き方も非常に限られていますが、だからこそたどり着いたときの感動はひとしおです。
モアイに護られた島を観光
イースター島には大きな客船が着岸できる港がないため、船は沖に錨泊しテンダーボートを利用します。爽やかな風が頬を撫で、時折波しぶきを浴びながら進むボートは爽快そのもの。上陸地点となるのは、モアイ観光の拠点となるハンガロア村です。 ここから訪れたのは、15体のモアイ像が並んだアフ・トンガリキ。かつて、「アフ」と呼ばれる祭壇の上に立つモアイたちは、過去のモアイ倒し戦争や1960年のチリ沖地震による津波で、すべて倒れていました。その修復・復元の際に、日本のクレーン会社が協力したことでも有名です。海を背に堂々と並ぶ15体のモアイは、言葉では表現できないほどの美しさです。
大多数のモアイ像がここから削り出されたことから、「モアイ製造工場」と呼ばれるラノ・ララク。ここでは、胸のあたりまで土に埋れているもの、岩から削られている途中のものなど、この場所ならではのさまざまなモアイ像と出会えます。高さ10メートルにもなるモアイを1体完成させるには、30人が1年以上かけて作業に励んだのだとか。この一帯には、そんなモアイ像がおよそ400体も残されています。 ラノ・ララクの周囲をぐるっと回ると現れるのが、「モアイ・トゥク・トゥリ」と呼ばれる島で唯一の座ったモアイ像。正座をするように座るフォルムは、どことなく親近感を感じさせます。
続いては、イースター島で数少ない海水浴場のアナケナ・ビーチへ。観光客はもちろん、島の人びとにも愛される綺麗なビーチは、青と白のコントラストが美しく映えます。ここは島で数少ない海水浴場であり、真っ白に輝く砂浜と美しいモアイ像を眺めることができる絶景スポットです。 このビーチに並ぶモアイ像は、「アフ・ナウナウ」と呼ばれています。長い間砂に埋もれていたため保存状態がよく、7体のうち5体は完全な形で、背中に刻まれた柄までくっきりと確認でき、頭の上の帽子とも結った髪ともいわれる「プカオ」も美しく残っています。
モアイだけではない島の観光スポット
イースター島には、モアイ観光のほかにもさまざまな見どころがあります。島の南側には、”鳥人伝説”の伝わるオロンゴ岬があります。イースター島には、この岬の先端から海に飛び込み、その先に浮かぶ「モトゥ・ヌイ島」からアジサシ(カモメ)の卵を一番早く持ち帰った者が、それからの1年間「鳥人(島の首長)」になるという言い伝えが残されています。17世紀頃には、多くの戦士たちがこの儀礼に挑んだといいます。 オロンゴ岬の周りには当時の住居跡が残り、鳥人の姿が彫り込まれた岩もあるなど、かつての人びとの暮らしや文化に思いを馳せることができます。
オロンゴ岬のすぐ隣に広がっているのが、ラノ・カウ火山のクレーターです。この火山の噴火口は広大なカルデラ湖を形成しており、島の貴重な水源にもなっています。直径1,600メートルの巨大な噴火口を彩る湖の景観には、ただ息をのむばかり。 また、独特な色をした海の美しさもイースター島の魅力のひとつです。この島は海底火山からマグマが噴出してできた火山島で、深い海底から頂上部分のみが海上に露出しているため、島の海岸線は断崖絶壁か岩場になっています。急激に海が深くなるため、イースター島の周囲には、タヒチなどの海と比べて濃い、独特の群青色をした海が広がっています。
島に生きる人びととの出会い
モアイ観光で有名なイースター島ですが、その一方で観光産業の発展や人口増加に伴い、さまざまな環境問題を引き起こしています。ピースボートクルーズでは寄港の際に、現地の方から島の現状について教わり、一緒にゴミ拾いや植林活動を行ってきました。島の現状を学んでボランティア活動を行った後は、伝統のボディペインティングを施してもらったり、島に伝わるダンスを一緒に踊ったり、書道グッズを使って島民たちの名前を漢字で書いたりと、互いの文化交流が大人気。現地の人びとと時間を共にしながら絶海の孤島の「いま」にふれる体験は、特別な旅の1ページです。
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