乗船者インタビュー

親子で“体験”を共有できた、印象的な旅でした。

大谷賢二さん・大谷宇宙さん(福岡県 / 72歳・21歳)

船旅がきっかけで生まれた娘とともに 

賢二さん:ピースボートに初めて乗ったのは、30年近く前ですね。その後も何度か乗船して、そのときに知り合った妻と結婚して生まれたのが娘の宇宙(はるか)です。宇宙は今、ニュージーランドに留学して5年目で、高校卒業後、今もオークランド大学に通っています。 /宇宙さん:大学1年生なので、この旅が終わってしばらくしたらまた戻る予定です。前期課程はもう始まっているので、後期から行こうと思っています。/賢二さん:これまでも飛行機での旅は宇宙(はるか)と一緒にしていて、海外はもう10数カ国行っていました。イースター島やタヒチにもすでに訪問してましたね。

父の体験を娘にも

賢二さん:今回の旅の目的は、一番は宇宙にピースボートを体験してほしかったからです。飛行機の旅とちがって寄港地での滞在は短いですが、その分船内での時間が長いので、多くの人と知り合えるし、いろんな世代や国籍の方がいるし、バラエティ豊かだと感じます。そんなことを体験させたかったし、十分に満喫してほしいなと思っています。/宇宙さん:十分満喫しています(笑)。やることはいっぱいあって、サルサやズンバもやっているし、船内新聞を作るチームにも入っています。いろんなことがあるので、一日が終わるのも早いし、きっと3か月もあっという間だろうな。

父のライフワークに関わりながら

賢二さん:僕は、1996年に初めて訪れたカンボジアで地雷被害者の悲惨な姿を見て、財団法人を立ち上げ、地雷撤去や被害者救済のための活動を続けています。その活動について船内で企画をした際に、宇宙が手伝ってくれました。ほかにも、30年近く前から周っている中南米についての講座でも、パソコン関係のことは全部宇宙がサポートしてくれて助かりましたね。/宇宙さん:一緒にスライドを作ったりしていましたね。/賢二さん:うち1回は、宇宙にも話してもらいました。これまで僕の活動に一緒に参加してカンボジアの地雷原に入った経験もあったので、普通なかなかできない体験などを自身の口から話してもらいました。

自分の経験を共有できた喜び

宇宙さん:船でできた友人たちの中にもカンボジアに興味を持ってくれた人が結構いて、たくさん参加してくれました。私は普段、人前に立つのは苦手なのですが、周囲から「がんばっていたね」と言ってもらえて、これまでの私の経験に関心をもってもらえたのがすごくうれしかったですね。/賢二さん:カンボジアに関わるようになり、今年で28年目です。当初は会社経営との両立ですごく大変だったけど、今は財団のことに専念しています。忙しくてなかなか船に乗れなかったけれど、宇宙を乗せたいという気持ちがありました。かつて私も、ピースボートでたくさんのものを得たのでそれをぜひ体感してほしいと思っています。

船上での文化的な体験

賢二さん:23年ぶりに乗船しましたが、船が大きくなって乗船される方の数が多くなったことには驚きました。昔は参加者も少なく、ほとんど知り合いになるくらいの人数で(笑)。この船は食事もすごくおいしいし、講座もバラエティ豊かになりましたね。特に文化的なもの、ダンスや音楽や絵や書といったジャンルのものが増えた印象です。僕も宇宙(はるか)と一緒にズンバをやりましたが楽しいです。ちょっと心臓がバタバタするけれど(笑)。/宇宙さん:私はこの船に乗って、自分は体を動かすのが好きなんだと分かりました。以前はインドア派で、そういうのは億劫だと思っていたのですけどね。

寄港地での出会いからはじまるもの

宇宙さん:今回、寄港地で一番楽しみにしていたのがペルーのマチュピチュ遺跡でした。だから行けてよかったし、父から南米の話を聞いていたので、実際に行けてうれしかったですね。リオのカーニバルもですが、結構すべての寄港地が楽しくていろんな出会いもありました。ナミビアでは現地のツアーガイドさんと仲良くなり、お互いのSNSも交換して、今度はもっと長めのツアーに一緒に行こうという話になりました。訪れた国それぞれに、もっともっと行きたくなりましたね。それに、大きなクルーズ船で3か月半をかけて世界一周をしたというのが、また印象的でしたね。

新しい時代を生きる娘へ

宇宙さん:実は今回、洋上での成人式に参加しました。今回の船旅では、コロナ下で成人式ができなかった同年代の子たちが計画して洋上成人式が実現しました。12階の見晴らしの良いデッキで船長から証明書をいただき、すごく特別な体験でしたね。/賢二さん:2001年のピースボートの旅がきっかけで生まれた子なので、『2001年宇宙の旅』という映画にちなんで“宇宙”と書いて「はるか」と名付けました。僕らは地球人として生きてきましたが、彼女たちの世代はもう宇宙の事を考える時代。そんな時代がきているなと感じています。自分が本当にやりたい、そして人の役に立つ道を歩んでほしいですね。

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