時差がないというのは、身体に負担が少なく快適ですね。
7年ぶりの乗船を楽しみに
達巳さん:もともと水産高校の教員を務めていて、妻とはその関係で出会いました。/ふみ子さん:お互い長く教員をしていたので、宝物のような教え子がたくさんいます。/達巳さん:ピースボートクルーズは約7年ぶり、2回目の乗船です。以前より船も大きくなって驚きましたね。/ふみ子さん:前回は北回り航路で、北欧も全部行ってすごく素敵な旅だったんです。それで次は南回り航路や、北も南も両方行く航路も行きたいと思っていましたが、まだ地域での役割などもあり続けて乗るのも難しく、今回の乗船に至りました。
“受け身”の旅はもの足りなかった
達巳さん:両親が元気なうちは私たちもまだ働いていたので、夏休みを利用して旅行するくらいでした。両親を見送ったあと、私たちも定年を迎え、すぐに別の船にお試しで乗船しました。たった2泊だったけど二人揃って2キロも体重が増えました(笑)。/ふみ子さん:二人ともお酒を飲むのでね。だから「これは世界一周したら大ごとになっちゃう」と思いました。いろんなショーや映画があったりと楽しいんですが、全部受け身だったんですよね。そこで私がピースボートを探してきたんです。
好きなことを一緒に楽しめる
達巳さん:妻から「ピースボートというのがあるよ」と聞きました。ピースボートクルーズでは、自分たち自身でいろんなことがやれると知り、「それなら折り紙をやればいいじゃないか」と思いつきました。初めて乗船したときは、新聞やチラシを持参して、いろんなものを折りましたね。/ふみ子さん:折っていると周囲のみなさんから「教えてください」と言われるので、一緒に折るんです。乗船している海外の方も、日本の折り紙にとても興味を持ってくださったんですよ。/達巳さん:海外の方には、言葉は通じなくても実際に見せながら「ここをこうして…」とやれば伝わりました。
寄港地でも折り紙で交流
達巳さん:折り紙は、色がある方がきれいに見えるので、どうしても白と黒が余りがちなんですよね。でも今回は、南回り航路で南アフリカのケープタウンに行ったので、「ケープタウンといえばペンギンだ!」と思い付きました。ペンギンだったら白黒で作れるし、簡単ですから。/ふみ子さん:折り紙1枚から、4羽折れるんです。海外の方もペンギンだとすぐにわかるので、寄港地でバスやタクシーでの移動時に折って、運転手さんにあげたりしました。とても喜ばれました。
日本の文化を伝えられる喜び
ふみ子さん:船内は国際色豊かなのでいろんなイベントがあるんですが、「ひな祭り」のときに飾っていただいた7段飾りは、実は我が家にあったものなんです。日本の方が見ても懐かしい気持ちになるし、海外の方にとってはめずしいものだから、みなさんたくさん写真を撮っていらして。日本の文化として紹介することができて、とてもよかったなと思っています。ほかにも、船内で知り合った方からお正月に祝い鶴を折ってほしいと頼まれましたし、夏祭りではいろんな出し物の景品として折り紙を折りましたし。
船旅の快適さを身体で感じる
ふみ子さん:高齢になって感じるのは、時差がないというのはすごく快適だということです。ピースボートクルーズに乗る前も二人で世界中を旅しましたが、身体への負担を考えると船旅はラクでいいなと思いますね。飛行機は早くても狭いから、トイレに行くだけで一苦労ですからね。/達巳さん:どこに行くにも、船室に荷物を置いてバッグひとつで出かけられる、それが船旅の魅力ですよね。飛行機だったら、時間や荷物の制限が厳しかったりもしますしね。/ふみ子さん:私たち、趣味で着物を着たりするんです。着物って実はコンパクトにまとまるので、非常に旅に向いてるんですよね。
多様性がこの船の良さ
達巳さん:これまでにいろんなクルーズ旅行に参加しましたが、ピースボートクルーズのよさというのがありますよね。/ふみ子さん:まず、高齢の方たちがすごく元気。運動したり踊ったり、たくさんのことに挑戦しています。車いすの方もいればカートを引いている方もいて、本当にいろんな方が乗船しています。/達巳さん:そういう方々のことを若い方がフォローしたり、見てくれるんですよね。/ふみ子さん:折り紙を通じて知り合った海外の方とも、一緒に食事をしたり、最後は別れを惜しんでとても温かい想いをしました。
船という小さな社会に希望を見た
ふみ子さん:この船でたくさんの刺激を得て楽しんでいる若い方たちの姿を見ると、ここは人生を変えられる場所なんじゃないかと思います。いろんな場で活躍ができる、これは普通の社会ではなかなかできないことですよね。/達巳さん:これまで仕事で生き辛さを抱えた子どもたちを見てきたので、もっと早くピースボートクルーズを知っていたらなぁと思います。/ふみ子さん:この船という小さな社会の中では、若い方が高齢の方の車いすを押したりお互いをフォローできる、一番いい場所じゃないかなと思うんです。お年寄りの行き場も、若者の希望もここにあるのかもしれませんね。
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